情報と憧れ。



スマートフォンやSNSの普及で、ひっきりなしに情報のインプットができる状態が用意されている。

知は力なり、と言うように、情報は有益な力ともなるが、情報のインプット過多は自らの生命力や創造力を衰えさせることもあると常々思う。

情報を得ることによって誰かに憧れ過ぎたり、他人と比べたり、というのは、自分の創造力を発揮する上で、マイナスに働くことが多い。

ぼくは20代の頃、誰かに憧れつづけていた。当時は主に本で情報を得ていたが、ネットで新しい情報が次々に発信され、スマートフォンでずっと情報を追えるとなると、憧れによる情報収集とそれによるインプット過多は加速するだろうと思う。

自分の日々の暮らしの満足感を高め、人生の充実を感じるには、結局のところ、自分の足元のこと、手元のことを一つひとつ進めていくのが肝要だということが身をもってわかったのは、畑を始めたことも大きいかもしれない。幸福感というのは、世間的な評価や社会的な尺度で測れるものではなく、自分の心で感じるものである。何かを達成することで幸福感のようなものを感じることもあるが、自分の考え方、心のあり方一つで、自分にとっての幸福感は容易に増減し得る。自分にとっての幸福な人生を歩むには、幸福を遠ざける生き方や考え方や情報やツールを遠ざけるのが手っ取り早いと思うが、世間の常識や当たり前は、人間の人生の幸福感を高めることを前提としていないことが多いのがもどかしい。


【関連記事】

by 硲 允(about me)