何をお金をかけるか、はその人の生き方をある程度表す。
自分の場合、健康への投資は惜しまないほうだと思う(といっても、たいしたお金はかからないけれど)。
一方、健康に直結している普段の食にお金をかけず、安ければいい、という基準で選ぶ人も多いだろうと思う。そう言う自分も、かつてはお店で同じような食品が2つ並んでいたとしたら、どちらに生命力があり健康にいいか、ということはさほど考えず、安いほうに手をのばしていたように思う。具体的な記憶をたどってみると、学生時代、スーパーで夕食の買い物をしていたとき、1パック数十円という安い豆腐を買ったのを思い出した。当時住んでいた寮にはキッチンがなかったので、工夫しないと調理は難しく、買ってきた豆腐のパックを開封し、包丁で切らず、皿にも盛らず、パックのまま醤油をかけて食べたらとんでもない不味さだった。こだわりの豆腐は塩をかけただけでいくらでも食べてしまえる美味しさだけど、当時はその違いを知らなかった。
道具への投資も、ほどほど心がけている。あるとき、スピーカーやイヤフォンなどの音響道具について調べていて思った。こだわればキリがないし、高価で性能がいいものはいくらでもあるけれど、音楽は最終的には自分の耳と心で聴くもので、自分自身を磨いていなければ、どんないい音も台無しになってしまうだろう。日々の暮らしや食事によって、耳の聴こえ方も違ってくるのを実感する。いいスピーカーを買うよりも、いいものを食べてまともな暮らしをしたほうが、同じ音を聴いてもっと心に響くようになる、ということは十分にあり得ることだろう。
道具などのモノは簡単に買い換えられるけれど、自分自身の体や心はそう簡単にはいかないことが多い。体と心が健康なら、あとはどうにかなるだろう、と思えてくる。