そら豆ご飯の季節。莢ごと茹でた茹で汁で炊く


こどもの頃から、そら豆が好きでした。

そら豆は買ってくるものとばかり思っていましたが、気がつけば、自分で種を蒔き、世話をし(草刈りくらいでほとんど必要ありませんが)、収穫して食べるようになるとは、人生、何があるかわかりません。と言うと大げさな感じもしますが、都会育ちの自分にとって、食べものを自分で育てるというのは、人生の大転換。

そら豆は、莢を剥くと当然中に豆が入っていて、その豆には薄皮がついています。こういう構造なわけですが、これをどう食すかは人それぞれでしょう。火を通さないうちに、莢と薄皮を剥いて、豆の柔らかい部分だけを食べる人もいるかもしれませんが、捨てられがちな莢や薄皮に旨味があるように感じるので、ぼくは容易には捨てられない性分です。

そこで、そら豆の莢と薄皮の旨味や栄養分をほとんど余さずいただく食べ方としてオススメなのが、そら豆ご飯です。

まず、そら豆を鞘ごと茹でます。茹で汁は捨てずに、ご飯を炊くときの水として使います。莢の中の豆は、薄皮を剥かず、ご飯と一緒に炊きます。こんな簡単なことですが、薄皮を剥いた豆だけ入れて炊くのとは、かなりの違いがあります。

刻みショウガと塩麹も入れるのがお気に入りです。塩麹を入れて炊くと、ご飯も豆も不思議とやわらかく炊きあがります。塩麹がなければ、当然、塩でも問題なしですが、精製塩は避けたほうがいいと思います。うちではもう長らく、内モンゴル自治区吉蘭泰(ジランタイ)の汚染されていない塩湖から採れた「天日湖塩」を食べています。

言い忘れていましたが、上の写真に写っている莢は、グリンピースの莢です。この莢も、いい出汁になります。そら豆の莢はさすがに固くて食べられませんが、グリンピースの莢は案外、食べられる部分が多いことを最近知りました。


by 硲 允(about me)