隠れ糖尿病と「減糖」。

「隠れ糖尿病」の人が実が多い、というのを何かで読んだ。

一般的な糖尿病の検査でひっかかったことはなくても、食後に計測してみると血糖値が上がりすぎている場合があるという。

糖尿病の原因はいろいろあるだろうけれど、糖分を摂りすぎて、インシュリンを分泌し続けた膵臓が疲れ果ててしまった、という場合も多いのだろうと想像する。

世の中に出回っている食を見渡すと、たしかに糖分が多すぎる。原材料ラベルを見ると、こんなものにまで、というものに砂糖や人工甘味料などの糖類が使われている。醤油やみりんなどの基本的な調味料にも砂糖や人工甘味料が添加されていることが多い。ご飯は白米で食べられることが多いし、フルーツは品種改良(改悪?)されてやたら甘いし、おやつは甘いものが多いし、余程気をつけないと、糖類過多になる食環境が当たり前となっている。

ぼくもかつては大の甘党だったが、歯をわるくして、砂糖を一切摂らなくなった。あのまま甘いお菓子やジュース、砂糖まみれの料理を食べ続けていたら、若くして糖尿病になっていたかもしれない。歯が教えてくれてよかった、と時々思う。

人工甘味料、というのもおそろしい。砂糖の何百倍の甘さがある、とか、異常である。カロリーが少なかったりするのだろうけれど、不自然なものを摂り入れることは、体への負担になるだろうし、健康にいいとは思えない。それに、味覚も狂ってくる。人工甘味料に慣れた舌では、野菜や穀物の微妙な甘みや旨味は正確に感じ取れなくなる。

糖類の摂り過ぎを自覚していても、そこから一気に抜け出すのはなかなか難しい。ぼくも砂糖を急にやめたときは、顔がげっそりと痩せ、中毒症状が出た。甘いものが食べたいときは、砂糖や人工甘味料ではなく、フルーツやハチミツでしのいだ(それで十分満足できる)。砂糖は中毒性があるようなので、食べ始めるとクセになる。甘みの強い野菜(さつまいもやスイートコーンなど)も、甘みへの欲求を満たしてくれる。食物繊維は、血糖値の上昇を抑えてくれるようなので、野菜はいいだろうと思う。昔、血糖値の上昇をゆるやかにするために、食事の最初に野菜を食べたり、ご飯を炊くときに寒天を入れたりしていたこともある。

白米や精白したパンをやめて、玄米や分つき米、全粒粉入りのパンにするだけでもだいぶ違うのではないかと思う。かつてはご飯といえば当たり前のように白米を食べていたが、今では時々白米を食べるとフルーツやデザートを食べているような感じがする。

「減塩」はよく見聞きするが、それよりも「減糖」を必要としている人が多いのではないかと思う。

…とここまで書いて、「減糖」という言葉はあるのだろうかとgoogle検索してみると、「減塩より減糖 人生を変える! 血圧の新常識」(有馬佳代 著)という本がでてきた。



高血圧というと、一般的には減塩ばかりいわれるが、最近のデータでは、砂糖の取りすぎが原因で高血圧になることがわかっているという。なかなか興味深い話である。


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by 硲 允(about me)