高松の常盤町商店街での「ボートピア(競艇場外発売場)」設置に賛成ですか?反対ですか?


高松のことでん瓦町駅の正面から伸びる常盤町商店街に「ボートピア」を設置する計画が進められているとを最近知りました。「ボートピア」という言葉は聞いたこともなかったのですが、競艇場の場外舟券販売場だそうです。そこで券を買って、ビデオを観て賭けをする施設です。

ぼくは競馬好きの友人に連れってもらって競馬に一回行ったことがあるくらいで、ギャンブルの経験はほとんどありませんが、こどもの頃に、メダルゲームをよくやっていて、あれもギャンブルのようなものでした。メダル販売機に100円を入れると、メダルが11枚出てきます。機械にメダルを入れて、スロットやじゃんけんゲームなどをして、うまくいけばメダルが増えるけれど、それは一時だけで、最後にはメダルが無しになりました。結局はそうなることがわかりつつ、お小遣いでもらった貴重な100円玉を何枚つぎこんだことやら・・・。幸い、それほどのめり込むことなく、お金をメダルに替えることのバカらしさに気づき、メダルゲームはやめました。これがメダルではなく、お金でお金を増やすギャンブルなら、失ったお金をいつか取り戻せるかもしれないという期待が生まれるので、もっとやめにくいでしょう。メダルゲームで痛い目に遭う経験をして、こういうのは結局最後にはマイナスになってしまう可能性が高いことや、失ったものを取り戻そうとしてさらに失ってしまうギャンブラーの心理とからくりを知ったこともあり、ギャンブルには距離を置いてきました。

普段通る場所にギャンブル施設ができ、何気なくギャンブルを始めてみたところハマってしまって、借金地獄になる、という可能性もあります。東京にいた頃、競艇場のすぐ近くのアパートで暮らしていたことがあり、近所には競艇でお金を失ったらしく見える人たちが不満そうな顔でうろうろしていて、その一帯はネガティブな雰囲気が漂っていました。競艇場が近くて治安がわるいから戸締まりには気をつけたほうがいいと言われたことがあります。あの雰囲気を思い出すと、よく歩く商店街にボートピアができてほしくないなぁと思います。

商店街のお店の人たちの約7割が、ボートピアの開設に反対されているそうです。商店街のお店がこれだけ反対していれば「それならやめておこう」となりそうなものですが、高松市長の意向と市議会での議決にかかっているようです。

賛成派の理由としては、商店街の活性化につながる、というのがあるようですが、ボートピア目当てで訪れた人たちが商店街の他のお店で買い物をしていくというのがあまり想像できません。もっとみんなが楽しくなるような方法で商店街を活気づけられないものでしょうか。好みの問題もありますが、ぼくはギャンブルで活気づいた商店街よりも、アートや音楽や地元ならではの食文化などで活気づいた商店街を訪れたいです。

普段、常盤町商店街をよく歩く人でも、ここにボートピアができる計画があることを知っている人はまだ少数でしょう。ボートピアの開設が計画されている常盤会館ビル(旧OPA跡地)の前に開発計画を書いたパネルが設置されていますが、ほとんどの人は目もくれずに通過しています。


商店街のお店の大半がボートピアに反対していても、推進派からの圧力があって声を大にして反対しにくいという現状もあるようです。

商店街は、お店と、そこを訪れる市民の両方があって成り立つものです。商店街を訪れる一人ひとりが、自分がどんな商店街を望んでいるのか、希望を表明したっていいわけです。そういうわけで、今日、ボートピア設置に反対する署名をし、ほんの少しの時間ですが、商店街で署名を呼びかける活動に参加してきました。

いろんな方に声を掛けてみましたが、大半の場合、興味すら示してもらえません。自分がわざわざ訪れている商店街でどういうことが起ころうとしているのか、興味すらないというのは考えてみると不思議なことです。人間は小さい頃から、与えられたものを消費することに慣れすぎたのかもしれません。

社会的慣習というか、国民性のようなものもあるのかもしれません。最初に声を掛けた若い男性二人組は、日本人だと思ったら日本語が通じず、海外から旅行に来たらしく(台湾かなぁ?)、かたことの英語で説明すると、熱心に聞いてくれて、最後に日本語で「がんばってください」と言って去っていきました。たまたま旅行で訪れた商店街のことなのに、手渡した日本語の資料まで熱心に見てくれていました。日本人は自分で定めた小さな領域の外のことに口出しするのを控える傾向が強いのかもしれません。自分の家庭のことは自分の問題だけど、商店街では自分は客の立場で、どんなお店を出すのかに口出しする立場にはない、というような。そうやって控えめにしすぎていると、結局、権力をもつ立場にある人たちの思うままに世の中は動いていきます。

THE BLUE HEARTSの「青空」という曲の一節を思い出しました。
運転手さんそのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先ならどこでもいい
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問いつめる
バスに乗っけてもらって行き先を示さないでいて、「こんなはずじゃなかった」ところにたどり着いても手遅れです。

常盤町商店街でのボートピア開設に賛成にしろ反対にしろ、いろいろ意見を出し合って対話していくことで、自分たちの街について考えるいいきっかけになると思います。

反対の場合、その意志を働きかける一つの方法として、「ボートピア誘致に反対する市民の会」による署名があります。署名用紙はこちらからダウンロードできます。「ボートピア誘致に反対する市民の会」(高松市松島町2丁目4-12)までお送りください。

また、「ボートピア誘致に反対する市民の会」では、常盤町にどんな未来を描きたいかについて、意見を募集しているそうです。ご意見は no_boatpia(アットマーク)yahoo.ne.jp 【(アットマーク)を@に変更ください】まで。



by 硲 允(about me)
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