家の中は日があまり入らず、隙間風がぴゅうぴゅう吹くので、この時期、昼間は家よりも外のほうがあたたかいことが多い。火を焚くとさらに温もるので、焚き火がしたくなる。
近所の竹藪は枯れた竹だらけで、倒れて斜めになったり、つるにぶらさがったりして見るからに荒れた状態になっている。そこから竹を持ってきて、これを燃料にして調理している。
これくらいの大きさの竹が4~5本あれば、ご飯とスープを炊いてお湯を沸かすのに十分。熾火(おきび)でスコーンも焼ける。
お借りしている家の庭にあったブロックを並べた簡単な炉。燃やしたあとの灰は畑に撒くので、焚き付けに新聞紙などの人工物は使いたくない。落ち葉をたっぷり集めればよく燃える。
落ち葉をこんもり積んだ上に、枯れた竹の細い枝を乗せておく。
火起こしからしたいところだけど、マッチで着火。下のほうの枯れ葉に火を付ければ一発でOK。
「爆竹」というくらいで、(特に青竹は)そのまま火に放り込むと空気が破裂してびっくりするけれど、上の写真のように節の間で切っておけばその心配がなくなる。ブロックを組んだだけの焚口の大きな炉なら、枝を付けたままどんどん放り込める。
枯れた竹は縦に割れ目が入っていることが多いので、長いまま火に投入してもそれほど破裂しない。先のほうが燃え尽きたら残りを押し込む。
この日もらってきたばかりの原木シイタケも鋳物のフライパンで焼いてみることにした。
4口のガスで長時間料理するとガス代が結構かかりそうだけど、これなら燃料代を気にせずにじっくり火を通せる。ご飯やスープが沸騰し始めたら、火力を落とす。竹を燃やしたときの火力は強いので、がんがん燃やし続けるとご飯の水分があっという間に飛んでしまう。
小豆入りの玄米がちょうどいい具合に炊き上がった。竹(や木など)を燃やした赤い火で調理すると、ガスの火に比べて柔らかく炊き上がる。
炎が消えたあとの熾火で相方がスコーンを焼いてくれた。
みかんをアルミホイルで包んで灰の中に入れておくと、焼きミカンができる。
甘みが増し、薄皮が柔らかくなって食べやすい。ちょっと古くなったみかんでも、焼きミカンにすると美味しさがよみがえる。
竹やぶがきれいになって、体を動かして炎で温まり、料理も美味しくできあがり、残った炭を火鉢に入れて家の中に持って入れば暖もとれる。
竹は厄介者扱いされがちだけど、こうして活用すれば随分ありがたい存在になる。