松縄骨法院(高松市)で忍者の自然療法「骨法」を受ける。

今年の3月、寝ているときに腕をヘンな方向に伸ばして痛めてしまいました。すぐに治るだろうと思っていたのですが、ふた月経ってもあまり改善せず、果たして治るのだろうかと心配になり始めました。

車で移動中、手技療法の治療院を見かけ、ちょうど外に出てきていた先生は見た感じ腕がよさそうだったので、ネットで調べてみたのですが、その治療院ではなく、「忍者の自然療法」という言葉に目が行きました。「松縄骨法院」という場所です。

これまで、いわゆる食の「自然療法」をいろいろ実践してきましたが、「忍者の」自然療法とは何だろう?

ウェブサイトを見てみると、骨法とは何か、説明されていました。

「骨法」は四百年前の戦国時代に紀州の雑賀衆が考えた武家の療法です。施術に使うのは掌(てのひら)と指先だけ! 器具も、電気も、薬も使わない完全な手技療法で病気を骨から根本的に治します。
場所を選ばずどこでもできる療法です。野戦場など野外での施術も想定 しているため椅子に座っての施術があるのも特徴です。戦の最中に五十肩やぎっくり腰、寝違えなどを即座に治して戦いに備える秘伝の療法もあります。

ぼくの出身地である紀州発祥というところにも親近感を覚えました。道具を使わないのもいいなぁ、と。

基本的に重度の症状なら平均4回~5回、軽度なら1回~2回で良くなっています。

重度の症状でも平均4回~5回!? 重度の症状は平均「治らない」、というのが普通の治療院の実態だと思いますが…。

施術回数は症状や発症後の対応の経緯によっても個人差があります。前に一回で良くなったのに、後日、同じ症状が再発し今後は一回で良くならなかったということもあります。
と続きます。そういうものだと思います。かなり正直な印象…。

戦国時代の本気で治す療法ですから長期間通院している、いわゆる「リピーター」はいません。
リピーターがいない、という話にさらにびっくり。普通、施術院の経営を回していくにはリピーターが重要だそうですが…(リピーターが多いということは、なかなか治せない施術院だという証拠でもあるわけですが…)。

「自然療法」と謳っているのはどういうことかというと、人体には自分で治す力があって、所定の正しい方法で順次施術を行うと、ほとんどの症状が「自然治癒力」で治っていくとのこと。具体的には、「関節の隙間を開いて神経の圧迫をなくす」、「リンパの流れをよくする」というこれだけで、医者が治らないと言うほとんどの慢性病が治るとのこと!
(ただし、例外もあり、感染症や、外科的な手術を要するもの、先天的な疾患、臓器の摘出など機能を失ったもの、脳の異常などは骨法での治療が難しいそうです)

続いて、具体例が書かれています。

2型糖尿病はすい臓が疲れてインシュリンをつくれなくなっているわけではなく、背骨の神経が圧迫されて脳からのインシュリン分泌指令がうまく届かなくなっているのが原因で、インシュリン投与を開始する前であれば、背骨の神経圧迫を治すと100%治るとのこと(!)。

次に、アトピーの原因は薬害で、上に書いた骨法の対象外の症状と薬害を除くと、軽度なら1回~2回、重度のものでも平均4回 ~5回の施術で治っているとのこと。あくまでも平均で、個人差はあるとのことですが、アトピーまで治ると読んでびっくり!

さらには、不安症、(閉所)恐怖症、パニック障害、ヒステリー、うつについても…。これらの症状の場合、背骨の神経圧迫で脳からの指令が阻害されて必要なホルモンの分泌ができておらず、背骨の神経圧迫をなくすだけで治るとのこと。

「治し方の秘密」として、「いきなり骨を調整しようとしても、筋肉などで固められているため骨は動きません。まず、筋肉を弛めてから骨を調整し、最後に筋肉を締めることで正常な状態を維持できるのです」と書かれています。なるほど…。

骨法では強い力を使わない、とのことで、これにも安心しました。アスファルトの舗装を突き破ってタンポポが生えてきたり、雨だれが年月をかけて岩に穴をあけるのと同じ原理で、「最小の力で最大の時間」、というのが、かたい骨を治す原理だそうです。ヘタなカイロでポキポキされて一生むちうちになった、というような話を聞くことがありますが、これなら安心できます。

ここまで読んで、そんなうまい話があるかいな、と思う方も多いかと思いますが、お客さん声がずらーっと紹介されていて、読んでいると、どうもこの説明は本当らしい…と思えてきます。

あれこれ読んでいると、どうやらその効果は本当らしい、とますます思えてきて、居ても立ってもいられない、という感じで、直近でとれるところに予約をとって、施術を受けに行きました。

院長(と言っても、一人でされていますが)のほねほね先生は、地元の地方銀行に勤務した後、骨法の名人に弟子入りされ、3年間の修行の後、高松市の自宅で開業されたとのこと(最初の1年間は無料施術で症例を集めながら研鑽を積まれる)。次第にクチコミが広がり、遠くは北海道、鹿児島、東京、神奈川、福岡、大分などからも来院されるようになり、沖縄、鹿児島、大阪などからも弟子入り希望者が現れるようになったそうです。(もっと詳しいプロフィールはこちら

施術院のチャイムを押すと、先生が出迎えてくれ、施術の部屋の椅子に座るように言われ、さっそく施術開始。肩もみされながら、身体で困っていることやその原因と思われるもの、などをきかれます。

初めてということもあって最初はちょっと緊張していましたが、肩や腕を施術されているうちにだんだん緊張がほぐれ、身体が熱くなって汗をかいてきました。普段、汗をあまりかけないほうで、けっこうハードな運動をしないと汗が出てこないのに。

痛めていた腕を回されると、激痛が走りました。ぼくは腕がおかしくなったとばかり思っていたのですが、肩の位置がずれていると言われました。五十肩が数十秒で治るという秘術を施されたあと、再び肩を回すとさっきよりもよく回るようになり、痛みも緩和しました。

寝転がって施術を受けているうちに、すっかり脱力。アトピーは母親の陣痛促進剤が原因のことが多い(最近は知らないうちに入れられることもあるらしい!)、背骨の何番がわるいと、どんな症状が起きる、というようなことを、一つひとつ、軽妙なトークで解説してくれながらの施術。ぼくは痛いところだらけ! 痛い、といっても、思い切り押されたりポキポキされたりするわけではないので、安心して施術を受けていられます。

ぼくは小学生の頃に「モアレ検査」で側弯症と言われ、その後、背骨の歪みがひどくなってきて、高校生の頃は特に、背中の痛みや違和感に悩まされていました。いろんな療法を自分で実践したりプロの施術を受けたりして、少しずつよくなってきましたが、まだ完全にはよくなっていません。ほねほね先生によると、側弯症というほど歪んでいないとのことで、背骨の施術の終わり頃には、背骨を押されたときの痛みも和らいできました(押されて痛くないということは、骨の歪みによる神経圧迫がとれた、ということだそうです)。

首のうしろにも大きなしこりができているのが見つかりました。これだけでも、ずいぶん大変だったと思いますよ、という言葉と話し方に、患者さん(自分も含めてですが)の苦しみに対する思いやりを感じました。大きな衝撃を受けたりするとこういうしこりができるそうで、小学生の頃に窓から落下して後頭部を思い切りぶつけたのが原因だろう、とのことでした。

顔の施術もあり、花粉症、鼻炎、目の疲れ(視力低下)、顎関節症なども治るそうです! ぼくはどれも当てはまり、これらが治ったらどんなにいいことか…。

治療が終わる頃にはすっかり全身がほぐれ、立つと明らかに身体が軽く感じ、すっと背が伸びて余計な力みが抜けた感じでした。歩くのも軽やか。

1回の施術は基本的に70~90分(初回は長くなることがあります)とのことですが、90分以上かけて、じっくり丁寧に施術していただけました。

施術を受けた当日と翌日は特に、目と耳と鼻がよくなったのを感じました。左耳の調子がおかしいことがよくあるのですが、違和感がなくなり、いつもよりよく聞こえます。視界も明るい!世の中が明るくなったように感じました。

それに、気分が明るくなって、他人とのコミュニケーションが億劫ではなくなりました。頚椎にしこりができたりして頚椎の神経が圧迫されていると、手や指に力が入らなかったり、頭痛、めまい、吐き気がしたり、天気がわかったり(雨の前に気分がわるくなる。フィリピン沖に台風が発生したのがわかった患者さんも!)、やる気が出ない、といった症状が出てくるそうで、首のしこりをほぐしていただいたのが効いたのでしょうか。ギターなどで指の関節を痛めやすいのもこれからなぁと思いました。雨の日や、外に出られない日は気分が暗くなり、「今日は世界全体が怒ってる」と感じることもありましたが、自分の首のしこりのせいだったのでしょう…(天気のわるい日はしこりが大きくなって神経をさらに圧迫するそうです)。

体の中心も整ってきたようで、立ったり歩いたりしたときの違和感が減り、仰向けで寝るのも前よりラクになりました。

さらに、首まわりや肩の緊張がとれたようで、その辺りが軽くなりました。それまでは緊張しているのが普通になって凝っても異常を感じないようになってしまっていましたが、パソコン仕事や畑仕事で凝ってくるとわかるようになり、自分でほぐそうとするようになりました。

今までいろんな施術を受けて、「好転反応が出るかもしれません」と言われることがありましたが、ちょっとダルくなって脱力して体を休めておきたい、というくらいでしたが、今回は劇的な好転反応。翌日は何度も下痢で、これぞ好転反応、という感じでした。全身の凝りをほぐし、リンパを流してくれたので、たまっていた毒素が一気に流れだしたのでしょう。

それを通過するとすっきり。効果は約1週間後に受けた施術まで、全体的に持続したままでした。体の中心が整ってきた感じは、ちょっと薄れましたが、体の動きのクセや、まだずれたままの骨によって、戻ってくるのだろうと思います。とはいえ、今まで受けたことのあるどの施術よりも効果の持続力があり、何度か骨法の施術を受け続けていれば、さらに改善していくだろうという希望がもてました。

今までに5回の施術を受け、体調は全体的に徐々にいい方向に向かっています。さらに、骨法講習を受け、ほねほね先生に弟子入りしました。これで、自分が治るだけではなく、困っている人を助けることもできるようになりそうです。長くなりましたので、それについてはまた次回。


by 硲 允(about me)