「プラスチック・フリー生活 ~今すぐできる小さな革命~」(シャンタル・プラモンドン、ジェイ・シンハ 著、服部雄一郎 訳)という本を読み始めました。
読んでいると、プラスチックの恐ろしさがよくわかります。
プラスチックには、いろんな有害物質や内分泌かく乱物質が含まれていて、例えば、最近よく聞くようになった「ビスフェノールA(BPA)」という内分泌かく乱物質。これは、ポリカーボネート製の食品容器やウォーターサーバーのボトル、アルミ缶やスチール缶のコーティングなどから漏れ出すとのこと。健康被害としては、思春期早発症、肥満、不妊、インスリンの抑制、多動、学習障害、乳がん、前立腺がん、心臓病、2型糖尿病のリスク増加などが指摘されているそうです。
トマト缶にはコーティングにBPAが使われていると友人から教えてもらったことがあり、それ以来、紙パック入りや、BPAフリーの缶に入ったものを選ぶようになりました。ただ、この本によると、「BPAフリー」と書かれていても、「ビスフェノールAF」「ビスフェノールB」「ビスフェノールC」「ビスフェノールE」「ビスフェノールF」「ビスフェノールS」あど、BPAと化学構造がほぼ同じで、同じく内分泌撹乱作用をもつと見られる化学物質(中にはBPAよりも内分泌撹乱作用が強いものも!)に切り替えているだけの場合もあるそうで、要注意です。BPAフリーと謳いながら、名称のアルファベットが違うだけの同じような化学物質を使っているとしたら詐欺のような話です。
プラスチックに添加される内分泌撹乱物質としては、他に、フタル酸エステルというものもあります。これは、プラスチック(特に塩ビ)の軟化剤や可塑剤として使われたり、化粧品や洗面用品に香料を溶かし込むための溶剤として使われることもあるそうで、食品のパッケージ、ラップフィルム、おもちゃなどに使われるそうです。また、「香料」としか表示されずに石鹸、シャンプー、デオドラント、ヘアスプレー、マニキュア、ローションなどに入っていることもあるそうで、「香料」には要注意です。フタル酸エステルは、プラスチック分子に化学結合しておらず、熱や油で容器やパッケージから簡単に漏れ出すとのこと…。
フタル酸エステルの健康被害としては、ぜんそく、新生児の神経発達異常、不妊、肝機能障害、肥満、乳がんなどとの関連が疑われているそうで、カナダ、アメリカ、ヨーロッパなどでは、フタル酸エステルをおもちゃや育児用品(寝具、おしゃぶり、食器、哺乳瓶、歯がためなど)に一定量以上使用することを禁止されているとのこと。
プラスチックからしみ出す化学物質として、これらの他に、毒性の強い難燃剤、内分泌撹乱作用や甲状腺の機能不全、生殖機能に悪影響を及ぼす可能性のある抗菌剤、鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などの重金属が挙げられています。
プラスチックは、簡単に土に還らず、大量に使用すると地球上がゴミだらけになるだけなく、危険な化学物質を撒き散らし、回り回って人間も他の生きものたちも苦しめられることになるのだということが、この本を読んでいると痛感させられます。
p.64から見開き2ページにわたって「プラスチック早見表」というのが掲載されていて、ポリエチレンテレフタレート(PET/PETE)、ポリエチレン(PE/HDPE/LDPE)、ポリプロピレン(PP)など、プラスチックの種類ごとに、危険性、漏れ出す恐れのある有害物質の例、代表的な用途が一覧でまとまっていて、買い物のときに役立ちそうです。
危険性が「絶対避けたい」とされるポリ塩化ビニル(PVC)から漏れ出す恐れのある有害物質の例はダイオキシン(発がん性)、フタル酸エステル(生殖発生毒性)、BPA(内分泌撹乱作用)、重金属(鉛、水銀、カドミウム)で、代表的な用途はたくさん挙げられていますが、例えば、布団袋、シャワーカーテン、おもちゃ(黄色いゴムのあひる!)、弁当箱、レインコート、フローリング、シャンプー・うがい薬・食用油などのボトルなど…。そんな危険な物質が、食品の容器や、身体に近いところで使われるものに使われているとは。
そんな危険情報を読み続けていると、プラスチックが恐ろしく見えてきます。ショッピングモールでこの本を読んでいたのですが、その後、買い物していると、いろんなプラスチック製品が目に飛び込んできました。かいものかごがまずプラスチック。納豆が安くなっていたけど、四角いプラスチック容器入りだったので、高いけど丸い紙カップ入りのを選ぶ…。豆腐も食べたいけど、プラスチック容器入り!(結局買う!プラスチックを完全に避けながら豆腐を食べるには、家で豆腐をつくるしかないか…それか、わずかに生き残った昔ながらの豆腐屋さんで、マイ容器に入れてもらうか)。買い物を終え、車に乗ろうとすると、ドアの開けるところもプラスチック、ハンドルもプラスチック。プラスチックがイヤなら、ハンドルも握れない、サイドブレーキも引けない…。
さらに、ケータイもデジカメも触れない、キーボードも打てない(最近、竹製のキーボードにしましたが、コーティングに何が使われているかわかりません…)、包装用プラスチックが恐ろしくて買い物もできない、と、プラスチック恐怖症になったらこの世が地獄のようになりそうです。
実際、プラスチックアレルギーの方もいるそうで、プラスチック容器に入った食べ物が食べられなかったりするそうで、気の毒な話です…。
今の世の中、完全にプラスチックの使用を避けるのは相当難しいし、そこまでやろうとしたら気が狂いそうですが、「必要のないプラスチック製品は買わない」「代替品があるなら、なるべくプラスチックを使用していないものを選ぶ」「手に入れてしまったプラスチック製品は簡単にゴミにせずにリサイクル、リユ―スする」といったことを心がけていこうと思います。
東京で暮していた頃は、今よりもプラスチックを敵視(!)していたのですが、香川の古民家で暮らし始めて、自然素材のものはすぐカビてしまうし、畑や森でプラスチック素材のものが活躍してくれるので、プラスチック制限がちょっとゆるんでいました。
世の中は有害、危険なプラスチック製品だらけ…じゃあ、どうしていったらいいのか、ということが後半に具体的に書かれているようなので、それを参考にしつつ、「なるべくプラスチック・フリー生活」を実践していきたいと思います。
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by 硲 允(about me)
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プラスチックには、いろんな有害物質や内分泌かく乱物質が含まれていて、例えば、最近よく聞くようになった「ビスフェノールA(BPA)」という内分泌かく乱物質。これは、ポリカーボネート製の食品容器やウォーターサーバーのボトル、アルミ缶やスチール缶のコーティングなどから漏れ出すとのこと。健康被害としては、思春期早発症、肥満、不妊、インスリンの抑制、多動、学習障害、乳がん、前立腺がん、心臓病、2型糖尿病のリスク増加などが指摘されているそうです。
トマト缶にはコーティングにBPAが使われていると友人から教えてもらったことがあり、それ以来、紙パック入りや、BPAフリーの缶に入ったものを選ぶようになりました。ただ、この本によると、「BPAフリー」と書かれていても、「ビスフェノールAF」「ビスフェノールB」「ビスフェノールC」「ビスフェノールE」「ビスフェノールF」「ビスフェノールS」あど、BPAと化学構造がほぼ同じで、同じく内分泌撹乱作用をもつと見られる化学物質(中にはBPAよりも内分泌撹乱作用が強いものも!)に切り替えているだけの場合もあるそうで、要注意です。BPAフリーと謳いながら、名称のアルファベットが違うだけの同じような化学物質を使っているとしたら詐欺のような話です。
プラスチックに添加される内分泌撹乱物質としては、他に、フタル酸エステルというものもあります。これは、プラスチック(特に塩ビ)の軟化剤や可塑剤として使われたり、化粧品や洗面用品に香料を溶かし込むための溶剤として使われることもあるそうで、食品のパッケージ、ラップフィルム、おもちゃなどに使われるそうです。また、「香料」としか表示されずに石鹸、シャンプー、デオドラント、ヘアスプレー、マニキュア、ローションなどに入っていることもあるそうで、「香料」には要注意です。フタル酸エステルは、プラスチック分子に化学結合しておらず、熱や油で容器やパッケージから簡単に漏れ出すとのこと…。
フタル酸エステルの健康被害としては、ぜんそく、新生児の神経発達異常、不妊、肝機能障害、肥満、乳がんなどとの関連が疑われているそうで、カナダ、アメリカ、ヨーロッパなどでは、フタル酸エステルをおもちゃや育児用品(寝具、おしゃぶり、食器、哺乳瓶、歯がためなど)に一定量以上使用することを禁止されているとのこと。
プラスチックからしみ出す化学物質として、これらの他に、毒性の強い難燃剤、内分泌撹乱作用や甲状腺の機能不全、生殖機能に悪影響を及ぼす可能性のある抗菌剤、鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などの重金属が挙げられています。
プラスチックは、簡単に土に還らず、大量に使用すると地球上がゴミだらけになるだけなく、危険な化学物質を撒き散らし、回り回って人間も他の生きものたちも苦しめられることになるのだということが、この本を読んでいると痛感させられます。
p.64から見開き2ページにわたって「プラスチック早見表」というのが掲載されていて、ポリエチレンテレフタレート(PET/PETE)、ポリエチレン(PE/HDPE/LDPE)、ポリプロピレン(PP)など、プラスチックの種類ごとに、危険性、漏れ出す恐れのある有害物質の例、代表的な用途が一覧でまとまっていて、買い物のときに役立ちそうです。
危険性が「絶対避けたい」とされるポリ塩化ビニル(PVC)から漏れ出す恐れのある有害物質の例はダイオキシン(発がん性)、フタル酸エステル(生殖発生毒性)、BPA(内分泌撹乱作用)、重金属(鉛、水銀、カドミウム)で、代表的な用途はたくさん挙げられていますが、例えば、布団袋、シャワーカーテン、おもちゃ(黄色いゴムのあひる!)、弁当箱、レインコート、フローリング、シャンプー・うがい薬・食用油などのボトルなど…。そんな危険な物質が、食品の容器や、身体に近いところで使われるものに使われているとは。
そんな危険情報を読み続けていると、プラスチックが恐ろしく見えてきます。ショッピングモールでこの本を読んでいたのですが、その後、買い物していると、いろんなプラスチック製品が目に飛び込んできました。かいものかごがまずプラスチック。納豆が安くなっていたけど、四角いプラスチック容器入りだったので、高いけど丸い紙カップ入りのを選ぶ…。豆腐も食べたいけど、プラスチック容器入り!(結局買う!プラスチックを完全に避けながら豆腐を食べるには、家で豆腐をつくるしかないか…それか、わずかに生き残った昔ながらの豆腐屋さんで、マイ容器に入れてもらうか)。買い物を終え、車に乗ろうとすると、ドアの開けるところもプラスチック、ハンドルもプラスチック。プラスチックがイヤなら、ハンドルも握れない、サイドブレーキも引けない…。
さらに、ケータイもデジカメも触れない、キーボードも打てない(最近、竹製のキーボードにしましたが、コーティングに何が使われているかわかりません…)、包装用プラスチックが恐ろしくて買い物もできない、と、プラスチック恐怖症になったらこの世が地獄のようになりそうです。
実際、プラスチックアレルギーの方もいるそうで、プラスチック容器に入った食べ物が食べられなかったりするそうで、気の毒な話です…。
今の世の中、完全にプラスチックの使用を避けるのは相当難しいし、そこまでやろうとしたら気が狂いそうですが、「必要のないプラスチック製品は買わない」「代替品があるなら、なるべくプラスチックを使用していないものを選ぶ」「手に入れてしまったプラスチック製品は簡単にゴミにせずにリサイクル、リユ―スする」といったことを心がけていこうと思います。
東京で暮していた頃は、今よりもプラスチックを敵視(!)していたのですが、香川の古民家で暮らし始めて、自然素材のものはすぐカビてしまうし、畑や森でプラスチック素材のものが活躍してくれるので、プラスチック制限がちょっとゆるんでいました。
世の中は有害、危険なプラスチック製品だらけ…じゃあ、どうしていったらいいのか、ということが後半に具体的に書かれているようなので、それを参考にしつつ、「なるべくプラスチック・フリー生活」を実践していきたいと思います。
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