日本人が自分の名前をローマ字で書けと言われたら、大半の場合、「名→姓」の順番で書くのではないかと思います。
by 硲 允(about me)
学校の英語の授業でもそう教わりましたが、時代は変わって、最近の英語の教科書では「姓→名」の順番になっているそうです。1993年に、三省堂が当時の編集長の方針によって「姓→名」の順番に変更した後、2000年の文科省による国語審議会の答申(人類の言語や文化の多様性を踏まえ、ローマ字表記においても「姓→名」の順が望ましいとするもの)を受け、他の教科書も続々と「姓→名」順に切り替えたそうです(こちらの記事による)。
いつの間にか学校の教科書がそう切り替わっていても、英語のニュース記事などを読んでいると相変わらず「姓→名」の順となっているのが普通ですが、最近、新たな動きが起こっているようです。
「週刊金曜日 2019年6/14号」に掲載されている「西川伸一の政治時評」によると、文化庁は近々再び同様の呼びかけを行う方針であることを、柴山昌彦文科相が5月21日の閣議後の記者会見で明らかにするとともに、河野太郎外相も同日の記者会見で、日本人の姓名をローマ字では「姓・名」順で表記するよう海外メディアに要請する考えを表明したとのこと。
外務省ホームページの英語版で、安倍晋三首相の氏名表記が一時、姓→名の順に変わったけれど、5月27日に元の名→姓の順に戻った、というニュースもありました(こちら)。外務省関係者は「通常通りに記載することにした」と説明し、元に戻した理由は明らかにしていないとのことで、いろいろと反対意見もあるのでしょう。
さぁ、どうなることやら。
それぞれの個人としては、自分にしっくりくる方を使えばいいのだと思います。ぼくは今までそれほど意識していなかったけれど、メールアドレスやブログのURLなど、自分の好きにして構わないところでは、なんとなく姓→名の順番にしていました(このブログのアドレスも、hazamamakoto.blogspot.com となっています)。
言語や文化の多様性がどうの…と言われても、日本人の中にも名→姓のほうがいいんだ、という人もいれば、日本語と同じ順番にするのがフェアだ、と考える人もいるでしょう。どちらかに他人が強制すべきことではなく、なるべくどんな場面でも、個人の好みで選べて、それで差し支えのない工夫をしていくのがいいのではないかと思います。
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by 硲 允(about me)