お雑煮の話

いわゆる「お雑煮」というのは、地域によってずいぶん違うのだと知ったのは、わりと最近のことかもしれない。

香川に移住してから、香川の郷土料理をいろいろ知った。そのなかの一つが、正月に食べる白味噌と餡餅のお雑煮! 香川で生まれ育った方には当たり前のお雑煮かもしれないが、初めて知ったときはびっくりした。

白味噌の甘みに、餡餅の甘みの組み合わせ。ぼくは砂糖が食べられないので、お店ではこのお雑煮は食べられない…。一度味わってみたくて、家でつくってみた。あんこは、砂糖ではなくレーズンとハチミツで甘みを付けたレーズン餡で。その味はだいたい予想通りで、なかなか美味しい! とはいえ、どちらかというと料理もシンプル好みなので、一度体験できれば満足、という感じで、それっきりになった。

ぼくが子どもの頃から和歌山市で慣れ親しんだお雑煮は、すまし汁に焼き餅だった。ネットで調べていると、和歌山県内では白味噌仕立てで、丸餅を焼かずに入れるのが一般的、という話もあり、当然、地域や家庭によりけりらしい。個人的には餅は焼いて、すまし汁に入れたときにこんがりしたところがしゅわっとふやけた食感と風味が好きだった。

この料理はこうあるべきだ、というようなこだわりはないので、正月の雑煮も、白味噌でもすまし汁でも、豆乳入りでもスパイス入りでも、なんでもOK、という感じではある。でもやっぱり、お餅は入れたい。四角でも丸でも三角でもいいけれど…。


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by 硲 允(about me)