地球上の人工物量が生物量を上回ったかも、という記事を読んで。

「人工物量」や「生物量」という言葉は聞き慣れないが、「人工物量」というのは道路や建築物などの人工物の量(重量)、「生物量」というのは樹木や植物、動物などの生物(人間は含まない?)の重量のことらしい。人工物量が生物量を上回る、というのは、イメージしてみるとうんざりする話だ。

地球上の人工物量、生物量を上回る 研究(AFP)


人工物量が増える、というのはつまり、地球上が自然に還らない(還りにくい)ゴミだらけになる、ということだ。

人工物のほとんどを占めるのは建築物や道路らしい。木や藁や土でつくった家は容易に大地に還るが、鉄やコンクリート、ビニールやプラスチックなどを大量に使った建物は、取り壊した後、置き場に困る巨大なゴミとなる。一昨年、「パーマカルチャーセンター上籾」(@岡山)で自然建築ワークショップに参加し、こんな家が増えたらいいのになぁと思った。

道路にしても、もっといい方法がいくらでもあるような気がする(今後はそういう研究が進んでいくだろうと期待するしかできないが…)。

普段、生物量の多い場所で暮らしていると、街に出かけて、いかに人工物ばかりかということを感じさせられる。土が見えるのは花壇くらいで、何もかも、コンクリートやアスファルトや金属やプラスチックなどの人工物で覆われ、申し訳程度に木や花が植えられている。

そんな景観を目にすると、生物であるはずの人間が人工物だらけの世界で暮らして、心身の健康を保つのが難しくなるのは当然に思えてくる。

たいして役にも立たず、人間を含む生物の幸せや喜びにたいしてつながらない人工物を闇雲に増やす時代は終わり、生物の豊かさや幸福や美を追求する動きが加速していくことを期待したい。


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by 硲 允(about me)