みりんのお屠蘇を飲む。三州三河みりんの屠蘇散で


「お屠蘇(とそ)」という言葉は聞いたことがあったけれど、何なのかよくわかっていませんでした。

三州三河みりんの屠蘇散(お屠蘇をつくるための種々のハーブミックス)をいただいて、その説明書きを読んで、ようやく何なのかわかってきました。

お屠蘇の「屠」という漢字は不気味だけど、疫病邪気を屠(ほふ)る、という意味で用いられ、「蘇」は人魂を蘇生する、ということらしい。約1700年前の中国で、一年の無病息災の願いを込めてこれを飲んだのが始まりとの説があるとのこと。(Wikipediaの情報によると、現在の中国ではお屠蘇を飲む習慣は残っていないという)日本では1100年と少し前に宮中の正月行事として始まったらしい。


三河みりんの屠蘇散に入っていたハーブは、甘草、紅花、桔梗、浜防風、蜜柑皮、茴香(フェンネル)、山査子(さんざし)、山椒、丁子(クローブ)。

これをみりんに一晩浸して、温めて飲むと、いかにも薬効がありそうな風味で美味しかった。

慣例的な飲み方としては、年少者から順次年長者に盃をすすめ、盃と共に若者の活発な生気をもらって一年の健康を祈念するらしいけれど、今どきは、若者よりもお年寄りのほうが「活発な生気」がある家も多いのでは…。

日本酒バージョンも試してみたけれど、ぼくはみりんのほうが好みでした。最近は普段、お酒を飲まないので、みりんのほうが飲みやすかったようです。お屠蘇でみりんを使うのは、常日頃お酒を飲んでいない人も飲みやすいように、というのもあるようで、たしかにこれなら、お酒が苦手な人でも飲みやすいかもしれません。アルコールが全くダメなら、湯煎するなどしてアルコールを煮飛ばしてもよさそうです。

みりんでお屠蘇をつくる場合、みりん風調味料や、そのまま飲んで美味しくないようなみりんだとキツいだろうと思います。


有機栽培のもち米、米麹、米焼酎でつくられた三河味醂を初めて飲んだとき、それまでの味醂のイメージを覆されました。この味を知ると、味醂もどきには戻れなくなります…

 


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by 硲 允(about me)