健康と食と変化しつづけることについて


病気は誰でもしたくないものだし、健康でいられることをたいてい誰でも望んでいるものだけど、不健康なことを減らし、健康になれそうなことを増やすには、それなりに知識や意思の力や習慣が必要になる。

残念ながら、そのへんで売っているいるものを無批判に消費して、みんなと同じように生きていれば簡単に病気になっていまうことは、統計を見ても明らかなことである。

困ったことに、不健康な状態であるのが自分にとって標準のような感覚になってくると、それが当たり前の状態になって、そこから抜け出さなければという危機感を強く感じにくい。ぼくは20代の頃、食をはじめ生活習慣が乱れて、身体のあちこちにガタがきて寒い冬を越すのも大変なほどで、それに放射能汚染も加わって30代で死んでしまうような予感すらしていたが、自分の生活の何をどう変えればいいのか、わかっていなかった。

そこから少しずつ食を変え、畑を始めたりして暮らしを変え、健康を取り戻してきた。食を変え、暮らしを変えると、頭や心の働き方も違ってくる。生活が乱れていた頃に比べて、生活や仕事など全般的に、だいぶまともな判断ができるようになってきたと感じている。

体が健康を取り戻してくると、自分の不調に敏感になる。慢性的な不調が続いていると、それをずっと気にしていると心まで疲弊してくるのでなるべく気にしないようになってくるが、時々の不調というのは気になるもので、解消したくなる。食べものが体に与える影響はダイレクトで、ちょっとおかしなものを口にすると、体の不調がわかりやすく現れる。食を変え始めた頃、なんとなく入ったカレー屋でカレーを食べると、舌のしびれが数時間続いたことがあった。化学調味料のせいだろう。化学調味料を常食していた頃は、どこで何を食べても気にならなかったが、たまに食べるとその異常さがよくわかる。しばらくぶりにお肉を食べると気持ちわるくて首に鳥肌が立って、もう無理だと思った。

どんな食べものや食べ方が人間の健康に適しているか、絶対的な正解は知らないが、何が自分の体の調子をよくしてくれるかは、自分で感じられる。いろんな知識を入れながら、いいと思ったものを一つずつ実験して自分の体で感じ、調子がよくなるほうを選択し続けていけば、長い期間でみるといつの間にか自分の習慣が変わり、体調も変わってくるものだと思う。急に変えようとしても難しいが、いい方向に変わり続けようとする意思を持ちつづけるのは大事で、その変化にはゴールはなく、変化の途中を楽しむのも変化しつづけるために大事だろうと思う。


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by 硲 允(about me)