このところ、食品の危険性について、いろいろ書いています。人工甘味料、ジャガイモの放射線照射、ペットボトルのお茶に入っているビタミンC(酸化防止剤)、虫からつくられたコチニール色素、カラメル色素の発がん性などなど。
「そんなに恐がらなくても」とか、「そんなに神経質にならなくても」とか思われる方もいるかもしれません。「そんなことを言い出したら、飯が不味くなる」とか。
危険な可能性のある食品を簡単に避けられて、安全な食をわかりやすく簡単に安く手に入れることができたらそんなふうに思う方は少なくなると思うのですが、何が危険かは自分でいろいろ調べてみないとわからないようになっていて、安全なものを手に入れようにもそのへんのスーパーに行けば、よほど厳選しないと危険な食品があふれているのが現状です。毎日の仕事に追われ、時間と気持ちに余裕がなければ、「ただちに影響のない」食の問題にはなかなか手を付けられないのもわかります。
とはいえ、健康というのは人生の質や幸福に大きく関わってきます。食をいい方向に変えれば、体調がよくなり、気分がよくなり、頭もよく動くようになり、いいこと尽くめです。身体と心が元気になれば、ほかのこともうまく回り出します。ほかのことはさておき、まずは「食」から、と思えるほど、「食」は大事だと思いますが、自分の今の健康状態にある程度満足していたら、「危険な可能性のある食品を避けよう」とはなかなかならないのでしょう。
ぼくは体が強いほうではなく、子どもの頃から食べてきたおかしなものの蓄積か、体のいろんなところがわるくなってきたので、がんばってでもいい食事をしよう、と思えたのかもしれません。きっかけは何にせよ、自然につくられた安全な食事、というのは、舌先だけでなく「全身が喜ぶ」感覚があります。それを知って、それに身体が馴染んでしまうと、もとの化学物質だらけの食事には戻れなくなります(添加物だらけのものを食べると舌がしびれたり、異物を体内に入れるとすぐに反応が出るようになりました)。
特に健康に問題を抱えていなくても、食事を変えてみたら、何か変わるはずです。納豆がいいとか、何々オイルがいいとか、健康にいいと言われている食品を毎日食べる「プラス」の健康法は実行しやすいようですが、農薬のかかった野菜は食べないとか、化学調味料を避けるとか、「マイナス」の健康法はあまり楽しくないようで、ある程度の自制心が求められるからか、流行りにくいようです。
でも、健康に害のあるものがあふれたなかで、何らかの栄養素が多く含まれた単一の食品をありがたがって毎日食べるよりも、一つずつ、害のあるものを減らしていったほうが効果が高いのではないかと思います。たとえば、よくわからないカタカナの添加物が入った加工品は食べないとか、無農薬の野菜を宅配で毎週届けてもらうとか。そんなふうに少しずつ始めてみると、自分の体調があきらかに変わっていくので、どんどんハマっていきます。
【おすすめの本】
野菜の裏側 ―本当に安全でおいしい野菜の選び方(河名 秀郎)
これを食べれば医者はいらない(若杉友子)