原子力発電が「安い」のはウソである理由について

ずいぶん前に「イエロー・ケーキ~クリーンなエネルギーという嘘 」という映画を観て、原子力発電は絶対にナシだということを確信しました。

原子力発電所で発電するための原料となるウランは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、南アフリカなどで採掘されています。この映画では、ウランの採掘のために先住民から土地を奪ったり、採掘を行う人々がガンや白血病などで苦しむ姿が描かれています。


イエロー・ケーキ~クリーンなエネルギーという嘘 [DVD]

たとえどんな理由があろうと、こんな犠牲を生んでまで電気を得る必要はないと思いました。

原発を要らないとする理由は、自分の中ではこれだけでも十分だったのですが、原発は必要だと思っている人と話し合って、この世界から原発をなくしていきたいと思うなら、いろんなデータが必要です。

たとえば、「原発は他の発電方法に比べて安く、電気料金が上がるのは困るから原発を続けるのは仕方がない」と言われたらどうするか。

日本政府は、2004年に、原子力発電、火力発電、水力発電の発電コストを発表しており、原発が安い、という主張は、このデータに基づいているようです。しかし、立命館大学の大島堅一教授は、政府の発表にはいくつものごまかしがあるとの研究結果を発表しています。

1.政府の計算は「実績」ではなく、「モデリング」
2.揚水発電のコストを加算しないごまかし
3.新しい原発にかかる高いコストの平均化によるごまかし
4.原発特有のバックエンドコストを過小評価
5.政府からの資金投入を見せていない

大島教授は、電力会社の実際の経営データや有価証券報告書に基づいて調査しています。その結果、原発がスタートした1970年から現在までのどの時期を見ても、原発は火力や一般水力よりもコストが高かったことを立証しています。

グリーン・アクションという団体が、この研究内容を簡潔な資料にまとめてくれています

大島堅一教授による、「原発の本当のコスト」という講演(2014年7月12日)の映像もありました。




著書も読んでみたいと思っています。


原発のコスト――エネルギー転換への視点 (大島堅一)



原発はやっぱり割に合わない―国民から見た本当のコスト(大島堅一)