日本の官僚支配に対抗するには、個人の直筆の手紙が効果的? 首相に手紙を出そう。

岩波書店が出している雑誌「世界」の2006年4月号で、「山口二郎のムホン会議」という新連載が始まっています。


世界 2016年 04 月号 [雑誌]

第1回は、【「日本型民主主義」はいらない──オール沖縄の深層】と題し、作家・元外務省主任分析官の佐藤優さんがゲストで登場。

日本の「官僚支配」にどうすれば対抗していけるか、という質問に対し、佐藤優さんは、安倍首相や菅官房長官などに直筆で、自分の言葉で手紙を書くことだと語っています。

送られてきた手紙にまず本人らが読むわけではなさそうですが、官僚たちは必ず目を通し、今月はこういう内容の手紙がこれだけきている、と報告するそうです。

「ネットではだめですか?」という山口さんの質問に、佐藤さんはこう答えています。

ネットだと、コピペでものをいっているんだろうと。あるいはハガキでも組織的な印刷なら脅威ではない。直筆の手紙で、しかも心をこめて自分の言葉で。そうすると、その背後に氷山があると皆思います。デモもそうです。だからデモとか手紙とか個人でできること、手づくりの形での批判が効く。一人ひとりが手書きで何か送って来るものが集積する。私も官僚をやっていたから想像できますが、それは怖いです。

なるほどー、もと官僚の佐藤さんが言うのだから、官僚とはそういうものなのでしょう。

「世の中をどうにか変えたいと思っても、自分のような一介の個人にできることはたかがしれている」と考える人が多いのではないかと思いますが、官僚たちは、そんな一介の個人からの直筆の手紙や葉書こそが一番怖いというのです。

それにしても、こっちは名前や住所を書いても、相手は顔も名前も分からない官僚が最初に手紙の封を切るというのは気味がわるいですが、効果があるならやってみようかとも思います。

一人で書いて送るのも勇気がいるので、みんなで集まって、首相に直筆の手紙を書く会をしても面白いかもしれないですね。


【関連書籍】


官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (佐藤優)