油の話

わるい油を口にすると、てきめんにお腹にくるようになった。もう久しく行ってないけど、香川のうどん屋に行くと、たいてい天ぷらが並んでいて、移住してきた当初は、もの珍しいのと美味しそうなのとで、つい皿に取って、うどんのおともになった。タケノコの天ぷらとか、サツマイモのおっきなのとか。美味しかったけど、お腹の調子がわるくなることが多くて、そのうち食べなくなった。家では天ぷらをしないので、もう長らく食べていない。

お店に行くと、めちゃくちゃ安い食用油が売られていて、こんなんで天ぷらしてしょっちゅう食べてたら、そりゃ体に負担がくるだろうと思う。菜種油の菜種は、遺伝子組み換えも心配。「遺伝子組み換え不分別」と書かれているものは、遺伝子組み換えの原料も入ってますよ、ということ。わざとわかりづらい表現を選んでいるようで、ずるい感じがするけど。

今、家で使っている油は、オーガニックのオリーブオイルとごま油(時々、ひまわり油も)。野菜のスープやエチュベをつくるときに、最初に油をすこし引いてクミンシードなどの香辛料をテンパリングすることが多い。少しの良質な油なら、お腹がもたれたりしない。サラダにオリーブオイルをかけることもあり、生のまま食べるときは、さらにこだわりのちょっと高価なオリーブオイルを少量かける。ごま油は、三宗貿易の有機焙煎ごま油専門。これを食べると、ごま油へのイメージが覆される。香り高い。質のわるいごま油にありがちな酸化したような臭みがない。中華風にしたいときなど、これをちょっとだけオリーブオイルに加えるだけで、ごまの香りを十分楽しめる。

料理に油は少量しか使わないので、フライパンや土鍋や食器を洗うときに洗剤が要らなくなった。鋳物のフライパンや木の食器にほどよく油分を与えてくれる程度で済む。

昔は、お店の濁った揚げ油で揚げた油くさい唐揚げとかコロッケとか好きだったけど、今だったら確実にお腹が痛くなりそう。外食は不便になったけど、体の反応が早いのは自分の健康を守るには大事なことだと思うことにしている。