「はざ掛け頃の庭」


お米をはざ掛けし終えた頃になると

ちょっとひと息

辺りも静かになっている

たまに機械音が聞こえてくると

そういえば最近静かだったと気づく

春になると意気込んで動き出すひとびとは

冬にはひとやすみしているのだろう

昼間の陽気がうれしい

庭に寝転んで全身で浴びる

まぶしいくらいの光が色をつける

冷たいようなあたたかいような地面を背中に感じる

寝てしまってもいいけど

ひと目が気になるくらいがちょうどいいのかもしれない

青空を見るのを忘れた時は一瞬で過ぎてしまう

何もしなければ時はゆっくりになる

暮らしの 思考のごちゃごちゃが 整理されていく

聞こえなかった鳥の声が聞こえてくる

聞こえなかった草の音が聞こえてくる

聞こえなかった体の声が聞こえてくる