熊野の折り畳み式家屋「川原家」について。大雨のときは解体して持ち運び可能

熊野の川原家

和歌山県新宮市の速玉大社へお参りした際、駐車場の近くにあったお土産屋さん。


その建物の説明書きの 「折り畳み式家屋」という文字に目が留まりました。



お店の方によると、この小屋は簡単に折り畳みできるように作られているとのこと。壁の板に番号を振ってあると教えてくれました。


写真ではちょっと見えづらいですが、商品の上辺りにマジックで番号が振られています。

かつて、熊野川が人や物資の移動で大きな役割を担っていた頃、新宮の川原に多くの家を建てて商人や手工業者たちが集まっていたそうです(17世紀半ばから300年以上にわたって続いていたらしい)。川原に建てられたので「川原家(かわらや)」と呼ばれ、台風などで大雨が続くと店を畳んで高い場所へ引き上げる必要があったので、折り畳み式の家屋が使われたそうです。部材は必要最小限で軽く、釘を使わず、組み立てや解体が簡単で専門職でない人にでも可能とのこと。

このお土産屋さんで使われている「川原家」は、地元の新宮高等学校建設工学科の生徒たちが、昔の資料をもとに復元・改良したもの。昔のものよりもさらに組み立てが簡単になっていて、慣れた生徒たち5、6人で作業すると約1時間で組み立て可能で、解体は約30分でできるとのこと。(高校生の頃は興味がなかったけど、そんな勉強なら楽しそう!)

ちなみに、わくわくドッカーン本舗(和歌山県新宮市)という会社では、川原家を現代風にアレンジして販売しているらしい(参照記事)。折り畳み式ではなく、車に乗せて運搬できるように設計しているそうです。市販モデルは4畳半タイプ(39万8000円~)と6畳タイプ(49万8000円~)の2種類。災害時の避難小屋や、屋台、離れの子供部屋、書斎、趣味の部屋などの用途に適するとのこと。

車は持っていませんが、モバイルハウスには興味があります・・・。


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