わが家のぬか床。
最近はお米を玄米ではなく7分つきで食べていて、家庭用精米機でつきたての糠でつくっています。
ぬか床の世話は大変そうだし何となくおそろしいので、ぼくは手を出さずに相方にお任せしていたのですが、「ぬか漬けの基本 はじめる、続ける。」(山田奈美 著 / グラフィック社)という本を読んで以来、ぬか床愛が生まれてきました。
ぬか床をかき混ぜたりすると、いちいち手を洗わないといけないし大変そうだなぁと思っていたのですが、やってみると、これが気持ちいい!
酸味とほのかな甘味のある香りがして、いかにも身体にいい菌が棲み着いてそうな感じです。手もすべすべになります。
ぬか床の表面には酸素の好きな「産膜酵母」が繁殖しやすく、酸素の少ない底のほうには酸素の嫌いな「酪酸菌」が繁殖しやすいらしい。前にぬか床を長い間放置し、鼻にツンとくるアルコール臭がするようになってしまったのですが、あれは「酪酸菌」が増えすぎたのが原因のようです。ぬか床の中で増えてほしい「乳酸菌」は、酸素の少ない環境が好きなので最後に上からぬか床を押さえて空気を抜くといいそうです。
糠に含まれるビタミンB1などの栄養素がぬか床に入れた野菜などに移り、反対に、野菜に含まれる栄養素がぬか床に移り、それがまた後から入れた別のものに移ったり、といった循環が起こり、それと同時に、野菜などに含まれるものをエサにしてぬか床の菌が変化し…と、まさにぬか床の生態系。ぬか床を毎日かき混ぜていると、これが生きものであることを実感します。
この本では、いろんなものをぬか床に入れていて、こんなものまで!というのもあって、面白いです。たとえば、里芋、ジャガイモ、長芋、レンコン、オクラ、タケノコ、アボカド、しいたけ、ミニトマト、柿、りんご、卵、豆腐など…(ものによっては、水分が出過ぎたりするので、それ専用に別の容器で漬けたほうがいいものもあります)。
早速、かわりダネぬか漬け、試してみました。
右から時計回りに、レンコン、人参(これはそんなに珍しくないか)、小松菜、里芋。
小松菜は不思議なことに高菜の風味に! 細かく刻んでおむすびに混ぜたり、葉っぱでおむすびをくるんで「めはり寿司」(熊野や吉野地方の郷土料理)のようにしても美味しそう。
ニンジンは前から相方がよく漬けてくれていて、これは想像しやすい味です。
里芋とレンコンは蒸して冷ましてから漬けています。里芋は塩気が効いて、ちょっとチーズっぽい!サンドイッチに挟むのもよさそう。レンコンはねっとり感が高まって予想以上の美味しさで、定番になりそうです。
上の写真には載っていませんが、キクイモのぬか漬けも美味しくてよく漬けています。生のままスライスしてぬか床に入れておくだけ。ごはんのおともにいいです。
他にもいろいろ試してみたい!
「ぬか漬けの基本 はじめる、続ける。」(山田奈美 著 / グラフィック社)には、ぬかそのものやぬか床のぬかを使ったレシピも紹介されていて、生ぬかグラタン、タイ風焼きそば、酸辣湯、カステラ、煎りぬかクッキー、煎りぬかバーグなど、つくってみたいものがいろいろありました。
ぬか床を始めて続けていく上で、疑問に思うことや、困ったときの対処法、ぬか床が楽しくなるいろんな情報など、これ一冊読めば急にぬか床に詳しくなれます。著者の山田奈美さんがぬか床を楽しまれているのが伝わってくるからでしょうか、自分でもやってみたくなる不思議な力のある本でした。
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by 硲 允(about me)
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