SNSを使いながら記憶力や注意力を鍛えるには?技術の進歩で人間が退化しないために…

『記憶力』(ウィリアム・W・アトキンソン 著、ハーパー保子 訳)という本に、記憶力を鍛えるには「注意力」が大事で、目に入ったものに対して意思の力を使って注意を向けたり、あるいは対象によってはあえて注意を向けないのも人間の大事な能力、というようなことが書かれていた。
注意力を鍛えるには?記憶力がないのは注意力の低さが原因らしい。




そうすると、SNSを何となくだらだら流し読みするのはとても頭にわるい習慣なのだろうと思った。

まず、だらだら流し読みするだけでは、注意力が研ぎ澄まされず、散漫になったままで終わる。そして、たまたま流れてきたタイムラインに流され、目に入ったものを目に入ってきた順に何となく見ていると、目の前のものに流される習慣が身につき、目の前のものにたいしてあえて注意を向けない力が身につかない。

そこで、記憶力や注意力を鍛え、頭のよくなるSNSの使い方を考えてみた。

どういう情報を得たいかを事前に考えてからSNSを見る

何となくタイムラインを開くまえに、自分は今からSNSにアクセスすることによって何を得ようとしているかを考えるだけでも効果があるかもしれない。どんな知識や情報を得たいと思っているのか、どんな投稿を見てどんな気分になりたいと思っているのか、誰のことを何のために知りたいと思っているのか・・・。

気になる相手を決めてその人のタイムラインだけを見る

自分がフォローしている人の投稿が混ぜくちゃになって流れてくるタイムラインを流されずに見るのは上級編かもしれない。「今、誰のことが気になるのか?」を把握し、その人のタイムラインに直接アクセスすれば、ごった煮の情報の渦に流されにくくなるだろう。全体としてのタイムラインは、個々のタイムラインの集合体だが、全体として見たときには特別な効果がもたらされる(だからSNSがこれほど人気なのだろう)。しかし、情報自体は、個々のユーザーによるものの集合体でしかない。それを意識するだけでも、自分がSNSでどんな情報を必要としているかが少しはっきりしてくるかもしれない。

時間を制限してアクセスする

隙間時間を見つけてはSNSにアクセスしていると、その時間を合計すれば毎日結構な時間になるだろう。それによって、自分の望むことが得られているのならいいけれど、そうでなければもったいない。

たとえば、最初は10分、慣れてきたら5分など、時間を制限してSNSのタイムラインを見ることで、自分が必要な情報を効率よく得ようとする意思が働きやすくなり、注意力を鍛える訓練になるのではないかと思う。これをやってみると、普段、自分がいかにダラダラとSNSを使用しているかを思い知らされる。

得た情報を記憶し、明確に再現できるようにする

SNSのタイムラインは、気をそらすもので溢れている。一つの投稿が気になっても、その前後にも気になる情報があったり、「お知らせ」のマークが付いていたり、チャットが来たり・・・そうすると、一つの対象にしっかりと注意を向けることが難しくなる。SNSで得た情報というのは、そういえば誰かがそんなようなことを言ってたなぁ・・・というくらいになりがちだけど、それではあまり役立つ情報にならないし、そういう怠惰な頭の使い方を習慣にしてしまうのも危うい。そこで、そこでちょっと踏ん張って、「これだ」という投稿に意識的に注意を向け、その細部にまで注意を集中し、誰が何を言っていたのか、どんな写真を載せていたのか、なるべく隅々まで記憶し、あとから自分の言葉でそれを再現できるくらいまで頭に叩き込むようにすれば、注意力と記憶力の訓練になるだろうと思う(SNSの投稿をそんなに「ガチ」で読まれると思っている人は少ないだろうから、こわがられたり気持ちわるがられたりしそうだけど・・・)。

SNSで得た情報を翌日や翌々日に思い出す

情報化時代では、情報を刹那的に得て、刹那的に消費するクセが身につきやすい。忘れたらまた検索すればいい、というのもあって、情報の記憶力も失われていきやすい。

そこで、自分がSNSで得た情報について、ある程度時間が経過してから意識的に思い出す訓練はどうだろう。「100歳までボケない101の方法」(白澤卓二 著)という本に、二日前の食事を思い出す、という訓練法が紹介されていて、それを応用して思いついた。後から思い出す必要がある、と意識することは注意力の強化につながり、記憶力も高まるだろうと思う。


・・・
思いつきでいくつか挙げてみたけれど、他にもいろいろできそう。SNSは油断すると時間どろぼう、エネルギーどろぼうになるけれど、使い方によって毒にも薬にもなるだろうと思う。今の時代、SNSをきっぱりとやめてしまうのもありで、ぼくも一時期はFacebookも退会していたけれど、なにかと便利でもあるので、Facebookは再開して最近はInstagramも始めた。どうせ使うなら、道具に使われるのではなく、うまく付き合っていきたいものだと思う。


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by 硲 允(about me)
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