竹はもともと、庭や畑で使ったり、竹で暮らしの道具を使ったり、生活に必要で便利だからあちこちに植えたのだと思いますが、今では石油由来の製品が安く手に入るようになり、竹は活用されず、勢力を拡大して厄介者扱いされがちです。
そんな気の毒な境遇にある竹ですが、見た目は美しく、成長が早く、真っ直ぐで、加工は比較的簡単で、しなやかに曲がる柔軟性があり、抗菌性もあり…と、人間にとってありがたい性質もたくさんもっています。
荒れ放題の竹やぶでぐんぐん育つ竹たち…これをどうにか有効活用したいものです。
東京で暮らしていた頃は、身近で手に入る竹はなく、竹とは縁遠かったのですが、香川に移住してからは、竹が身近な存在となりました。これまでに竹でつくってきたものや、竹の活用方法などをまとめてご紹介したいと思います。
竹細工教室で教わりながら熊手をつくりました。「手」の先端を曲げるときに専用の道具があると便利ですが、特別な道具がなくてもがんばればつくれそうです。
詳しくは↓
竹で熊手をつくる。時間はかかるけれど頑丈な仕上がりに
こちらも竹細工教室で同じ先生に教わってつくった、竹ぼうき。ホームセンターの安物は、簡単に壊れてしまうことがよくあるようですが、頑丈な竹ぼうきができました。
詳しくは↓
竹細工教室で「竹ぼうき」をつくる。詳しい作り方も
どんぐりを埋めて苗をつくるときに、竹でポットをつくりました。側面や底にはインパクトドライバーで穴をたくさんあけて空気を通りやすくしています。ポットを置く台も竹でつくりました。
詳しくは↓
竹で苗用のポット台をつくる。「コンテナ苗」風の竹ポットでどんぐりの苗も
田んぼで毎年稲の苗を育てていて、防鳥ネットを使わないとあっという間に種籾がスズメたちに食べられてしまうので、竹でトンネルをつくって防鳥ネットを張りました。プラスチック資材と違って、古くなって使えなくなっても燃えないゴミにならず、そのまま土に還したり、燃やして灰を田畑に撒いたり、自然の中で循環可能な竹素材は気持ちよく使えます。
詳しくは↓
2017年のお米づくり開始。苗代に鳥対策の竹のアーチをつくる
おそらく「女竹」だと思いますが、畑の近くに細い竹だらけの藪があり、これを伐って、畑の支柱にしています。短いのも長いのも、簡単に必要な長さでつくれるし、しっかりしているけど程よくしなやかで、絹さや、ナス、トマトなどの支柱として活躍してくれています。数年はもちますが、もろくなって不安定になってきたら、燃やして灰にして畑に撒きます。
詳しくは↓
藪に覆われたかつての小道を復活させながらエンドウマメの支柱を立てる。
住んでいる町内の竹林の手入れを手伝ってきたときに、チッパー(粉砕機)という機械で青竹を粉々にしたチップをもらってきて、畑で活用しました。畝に厚く敷けばマルチ代わりになるし、できたばかりのチップをビニール袋に入れて密封して嫌気発酵させると乳酸菌が活発になり、土壌改良にも使えるそうです。
詳しくは↓
竹林の手入れで出た竹のチップを畑で活用。チッパーはすごい音だった。
和綴じの手製本をつくっていて(「珍妙雑記帳shop」で販売しています)、和綴じの本づくりには竹のヘラが必要なので、それを自分でつくってみました。竹は木材に比べて削りやすく、比較的簡単につくれます。
詳しくは↓
製本道具の「かけべら」(竹べら)と「竹の指輪」を手作り。自然素材の道具は作るのも使うのも楽しい
香川県三木町の「いろり工房」で教わってつくった竹の鉛筆ホルダー。いろんな太さの鉛筆に対応する市販の鉛筆ホルダーとは違い、どんな鉛筆にも使えるわけではありませんが、自分の鉛筆の太さに合った竹を選んでちょうどいいところで切れば、専用の鉛筆ホルダーができます。手触りがいいです。
詳しくは↓
竹の鉛筆ホルダーをつくる@いろり工房(香川県三木町)
竹を横にして、フタを切り抜いて、お米を入れれば、焚き火で美味しいご飯を炊くことができます。竹の香りがご飯にかすかに移って、初めてつくったときは美味しすぎておかずなしで夢中で食べました。竹の底に穴があいてしまわないように、肉厚の孟宗竹を使うと炊きやすいです。火加減も大事で、焚き火の練習になります。
詳しくは↓
竹でご飯を炊く(竹筒ご飯)方法。米だけで夢中で食べてしまう美味しさ
薪というと広葉樹のいわゆる市販の薪を思い浮かべる方も多いと思いますが、枯れ竹は火が付きやすく、火力も強く、調理用の「薪」として重宝します。伐ったばかりの青い竹も火力が強く、土鍋のご飯やスープを手早く沸騰させることができます。煤がたくさんつきますが…)。うちの近所には枯れた竹がいくらでもあって、それを数本持ってくれば、ご飯とスープを炊いてお湯も沸かして、おやつまでつくれます。
詳しくは↓
枯れた竹が数本あれば、ご飯とスープを炊いてお湯を沸かし、スコーンや焼きミカンをつくって暖も取れる。
薪ストッカー(薪棚)をつくった際、なるべく土に還る素材で作りたくて、屋根を竹でつくりました。竹を縦に4分の1に割って、互い違いに並べて、サイザルの紐で結束。思った以上に丈夫で、その後の風雨にもびくともせず、薪を雨から守ってくれています。
詳しくは↓
竹の屋根の薪ストッカー(薪棚)をつくる。
森林活動仲間のドラム缶式炭焼き窯で竹炭を焼きました。竹炭は、家の湿気対策や、水の浄化(竹の細い枝を竹炭にすると竹炭マドラーができて、これで水をかき混ぜるとあっという間にカルキ臭さがなくなります)などに使っています。竹酢液もとれて、これは苗づくりのときに「ストチュウ液」をつくるのに使っています。
竹炭焼きについて、詳しくは↓
春の竹炭焼き。何もせず「待つ」時間もいいものです。
NPOフォレスターズかがわの「薪風呂をつくろう!Project」で、香川県内の竹林整備で伐採した竹を使って竹小舞をつくりました。ひと昔前は、家をつくるとなるとみんなで竹を伐って竹小舞を編んだそうです。竹と土と木で壁をつくれば解体後も埋め立てゴミにならず、地産地消の建築は合理的です。
詳しくは↓
薪風呂をつくろう!Project」、竹小舞づくりと浴室の型枠作業
竹小舞に土壁を塗ったときの様子は↓
フォレスターズかがわの「薪風呂をつくろう!プロジェクト」、土壁塗りまで来ました
・・・
こうまとめてみると、竹は暮らしのいろんな場面で活躍してくれるものだなぁと、改めて。今後も竹が新たな活躍をしてくれた際には追記していきたいと思います。
by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto)
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そんな気の毒な境遇にある竹ですが、見た目は美しく、成長が早く、真っ直ぐで、加工は比較的簡単で、しなやかに曲がる柔軟性があり、抗菌性もあり…と、人間にとってありがたい性質もたくさんもっています。
荒れ放題の竹やぶでぐんぐん育つ竹たち…これをどうにか有効活用したいものです。
東京で暮らしていた頃は、身近で手に入る竹はなく、竹とは縁遠かったのですが、香川に移住してからは、竹が身近な存在となりました。これまでに竹でつくってきたものや、竹の活用方法などをまとめてご紹介したいと思います。
竹の熊手をつくる
竹細工教室で教わりながら熊手をつくりました。「手」の先端を曲げるときに専用の道具があると便利ですが、特別な道具がなくてもがんばればつくれそうです。
詳しくは↓
竹で熊手をつくる。時間はかかるけれど頑丈な仕上がりに
竹ぼうきをつくる
こちらも竹細工教室で同じ先生に教わってつくった、竹ぼうき。ホームセンターの安物は、簡単に壊れてしまうことがよくあるようですが、頑丈な竹ぼうきができました。
詳しくは↓
竹細工教室で「竹ぼうき」をつくる。詳しい作り方も
竹で育苗用のポットやポット台をつくる
どんぐりを埋めて苗をつくるときに、竹でポットをつくりました。側面や底にはインパクトドライバーで穴をたくさんあけて空気を通りやすくしています。ポットを置く台も竹でつくりました。
詳しくは↓
竹で苗用のポット台をつくる。「コンテナ苗」風の竹ポットでどんぐりの苗も
竹で苗床の防鳥対策用トンネルをつくる
田んぼで毎年稲の苗を育てていて、防鳥ネットを使わないとあっという間に種籾がスズメたちに食べられてしまうので、竹でトンネルをつくって防鳥ネットを張りました。プラスチック資材と違って、古くなって使えなくなっても燃えないゴミにならず、そのまま土に還したり、燃やして灰を田畑に撒いたり、自然の中で循環可能な竹素材は気持ちよく使えます。
詳しくは↓
2017年のお米づくり開始。苗代に鳥対策の竹のアーチをつくる
細い竹を畑の支柱として活用する
おそらく「女竹」だと思いますが、畑の近くに細い竹だらけの藪があり、これを伐って、畑の支柱にしています。短いのも長いのも、簡単に必要な長さでつくれるし、しっかりしているけど程よくしなやかで、絹さや、ナス、トマトなどの支柱として活躍してくれています。数年はもちますが、もろくなって不安定になってきたら、燃やして灰にして畑に撒きます。
詳しくは↓
藪に覆われたかつての小道を復活させながらエンドウマメの支柱を立てる。
竹のチップを畑でマルチや土壌改良材として使う
住んでいる町内の竹林の手入れを手伝ってきたときに、チッパー(粉砕機)という機械で青竹を粉々にしたチップをもらってきて、畑で活用しました。畝に厚く敷けばマルチ代わりになるし、できたばかりのチップをビニール袋に入れて密封して嫌気発酵させると乳酸菌が活発になり、土壌改良にも使えるそうです。
詳しくは↓
竹林の手入れで出た竹のチップを畑で活用。チッパーはすごい音だった。
竹で製本道具の「かけべら」をつくる
和綴じの手製本をつくっていて(「珍妙雑記帳shop」で販売しています)、和綴じの本づくりには竹のヘラが必要なので、それを自分でつくってみました。竹は木材に比べて削りやすく、比較的簡単につくれます。
詳しくは↓
製本道具の「かけべら」(竹べら)と「竹の指輪」を手作り。自然素材の道具は作るのも使うのも楽しい
竹の鉛筆ホルダーをつくる
香川県三木町の「いろり工房」で教わってつくった竹の鉛筆ホルダー。いろんな太さの鉛筆に対応する市販の鉛筆ホルダーとは違い、どんな鉛筆にも使えるわけではありませんが、自分の鉛筆の太さに合った竹を選んでちょうどいいところで切れば、専用の鉛筆ホルダーができます。手触りがいいです。
詳しくは↓
竹の鉛筆ホルダーをつくる@いろり工房(香川県三木町)
竹筒にお米を入れてご飯を炊く
竹を横にして、フタを切り抜いて、お米を入れれば、焚き火で美味しいご飯を炊くことができます。竹の香りがご飯にかすかに移って、初めてつくったときは美味しすぎておかずなしで夢中で食べました。竹の底に穴があいてしまわないように、肉厚の孟宗竹を使うと炊きやすいです。火加減も大事で、焚き火の練習になります。
詳しくは↓
竹でご飯を炊く(竹筒ご飯)方法。米だけで夢中で食べてしまう美味しさ
竹を調理用の薪として活用する
薪というと広葉樹のいわゆる市販の薪を思い浮かべる方も多いと思いますが、枯れ竹は火が付きやすく、火力も強く、調理用の「薪」として重宝します。伐ったばかりの青い竹も火力が強く、土鍋のご飯やスープを手早く沸騰させることができます。煤がたくさんつきますが…)。うちの近所には枯れた竹がいくらでもあって、それを数本持ってくれば、ご飯とスープを炊いてお湯も沸かして、おやつまでつくれます。
詳しくは↓
枯れた竹が数本あれば、ご飯とスープを炊いてお湯を沸かし、スコーンや焼きミカンをつくって暖も取れる。
竹で薪棚の屋根をつくる
薪ストッカー(薪棚)をつくった際、なるべく土に還る素材で作りたくて、屋根を竹でつくりました。竹を縦に4分の1に割って、互い違いに並べて、サイザルの紐で結束。思った以上に丈夫で、その後の風雨にもびくともせず、薪を雨から守ってくれています。
詳しくは↓
竹の屋根の薪ストッカー(薪棚)をつくる。
竹炭をつくる
森林活動仲間のドラム缶式炭焼き窯で竹炭を焼きました。竹炭は、家の湿気対策や、水の浄化(竹の細い枝を竹炭にすると竹炭マドラーができて、これで水をかき混ぜるとあっという間にカルキ臭さがなくなります)などに使っています。竹酢液もとれて、これは苗づくりのときに「ストチュウ液」をつくるのに使っています。
竹炭焼きについて、詳しくは↓
春の竹炭焼き。何もせず「待つ」時間もいいものです。
風呂小屋の壁の竹小舞をつくる
NPOフォレスターズかがわの「薪風呂をつくろう!Project」で、香川県内の竹林整備で伐採した竹を使って竹小舞をつくりました。ひと昔前は、家をつくるとなるとみんなで竹を伐って竹小舞を編んだそうです。竹と土と木で壁をつくれば解体後も埋め立てゴミにならず、地産地消の建築は合理的です。
詳しくは↓
薪風呂をつくろう!Project」、竹小舞づくりと浴室の型枠作業
竹小舞に土壁を塗ったときの様子は↓
フォレスターズかがわの「薪風呂をつくろう!プロジェクト」、土壁塗りまで来ました
・・・
こうまとめてみると、竹は暮らしのいろんな場面で活躍してくれるものだなぁと、改めて。今後も竹が新たな活躍をしてくれた際には追記していきたいと思います。
by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto)
instagram(@makoto.hazama)