『ターシャ・テューダー最後のことば―ラスト・インタビュー「人生の冬が来たら」』という本を読んで

ターシャ・テューダー最後のことば―ラスト・インタビュー「人生の冬が来たら」』という本を読みました。



ターシャ・テューダーさんの言葉は、読んでいると心が落ち着き、じんわりとしたやる気がでてきます。

美しいガーデンをつくり、動物に囲まれ、絵を描いたり人形をつくったり…ターシャ・テューダーさんの生き方に憧れ、「あなたみたいに生きられればいいのに」と言う人が多いそうです。息子のセス・テューダーさんによると、そんなときに母は「そう? じゃあ、なぜそうしないの?」と答えるでしょう、と書いています。

ターシャ・テューダーさんと同じような暮らしを本気でしたいと思う人はおそらく少ないでしょう。人里離れた場所で、文明の利器に頼らず、毎日ヤギのミルクを搾ったり、家畜小屋の掃除をしたり、子どもを育てながら、いつも手を動かして暮らしの仕事をし… 前に「ターシャ・テューダー ~静かな水の物語~」という映画を見ましたが、並大抵の体力では難しい暮らしだと感じました。

他人の暮らしが幸せそうに見えても、それはその人の暮らしのほんの一面で、全体を見ると、とても真似したいとは思わない、ということが多いでしょう。どんな暮らしを幸せだと感じるかは人それぞれだし、それは変化していくものだと思います。

どうすればより幸せな人生に近づけるのか…ターシャ・テューダーさんの次の言葉に、いろんなヒントが詰まっているように思いました。

それでもやはり、私たちは、人生をより良くするために多くのことができるのです。身体のことでなら、健康に良い食べものをとって、適度な運動をし、適切な体重を維持し、自然でない物質を避け、十分な睡眠をとり、ストレスや危険を避けようと努力することができますよね。もっと大切なことは、仲間を愛し、家族や友人と仲よく暮らし、優しさと許しを日々実践し、自分の仕事を楽しみ、そして心が満たされる趣味を持ち、親しい人たちと営みを分かちあうことで、幸せな人生を送れるように努力できるということです。(『ターシャ・テューダー最後のことば―ラスト・インタビュー「人生の冬が来たら」』p. 70)


どうすれば幸せに生きられるか…言葉で言ったり、言われて納得したりするのは簡単ですが、実行するとなると別の話です。身体のことを一つとっても、これを食べたほうが健康にいい、とわかっていながら、おかしなものを食べて自分の身体を害してしまいがちですが、ちょっとした努力と工夫の積み重ねで、日々少しずつでもいい方向に変化していくことの積み重ねが長い目で見ると大きな違いを生み出すように思います。


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by 硲 允(about me)