ホタルの光とLED

ぼくは街で育ったので子どもの頃にホタルを見た記憶がありませんが、大人になってから、東京の高尾山の麓の川沿いを歩いているときにたくさんのホタルがいて、あのなんともやさしい光に心を動かされました。

ホタルの種類を見分けられる人は稀だと思いますが、世界にはなんと2000種類ものホタルがいるそうです。

ところが、その一部が現在、絶滅の危機にさらされているとのこと…。原因は、生息地の減少や殺虫剤の使用、人工光の増加などだとされています(「ホタルに絶滅危機、生息地の減少や人工光の増加が原因か」CNN)。

今住んでいる香川の家のそばの川沿いでも、何年か前にホタルを見かけました。去年は見なかったし、微妙なバランスの中で、あるときは生息できたのかもしれません。

あちこちで農薬や殺虫剤、除草剤などが使われているし、川はずいぶん汚れているし…。うちの周りはところどころに街灯があるくらいで暗いほうですが、都会では夜でも暗闇を見つけるのが大変なくらいで、ホタルにとってはずいぶん迷惑な話でしょう。夜間の人工光は、ホタルが交尾の相手を探す際に非常に邪魔になるそうです。LED電球の普及でさらに状況が悪化しているとのことで、たしかにLEDの明るさはまさに光害です。東京で暮らしていた頃、あちこちの電球がLEDに変わっていき、夜に帰宅途中、駅中などのLEDがまぶしすぎて目が痛くなるし、寝るモードに入っていきたいのに目が冴えてくるし、どうにかならないものかと思ったものです。ホタルにとってはさらに深刻な問題になっていたとは…。

ホタルにとって暮らしやすい環境は人間にとっても暮らしやすいし、人間が本来心地よい環境はホタルにとっても快適なはず…。LEDかホタルの光か…それは人間が選べることだし、一人ひとりが選べることだろうと思います。


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by 硲 允(about me)