エスカレーターの「片側空け」について

「暮しの手帖 5世紀5号」で、佐野由佳さんの「エスカレーター逡巡」と題されたコラムを読み、エスカレーターの片側空けをやめましょう、というキャンペーンが一時テレビや駅でおこなわれていたことを知った。



ぼくは関西出身なので、東京に行くとエスカレーターの空ける側が違い、どっちがどっちかわからなくなってくることが多い。香川で暮らして7年…最近は混雑したエスカレーターに乗ることもめったくなく、どっちを空けたらいいのかさっぱりわからなくなった。

エスカレーターというと、大学生の頃、よくぶらついていたショッピングセンターで、エスカレーターの片側を空けていると、ぶつかりそうになりながら駆け上って(下りて)くる客とよく出くわし、腹を立て、そのうち、片側を空けずにわざと封鎖して乗るようになったのを思い出す。いそぐんだったら、階段で移動しろ!と言いたくなった。そもそも、いそがなアカンあときにこんなショッピングセンターに来るな!と言いたくなった。当時のぼくは今よりもキョウボウだった。

上のコラムによると、片側を空けずに、全員が立ち止まって2列で乗ったほうが、全体的には早く到達できるようで、たしかに、片方が空いているのにわざわざ空けて、乗り場でつっかえているのは効率がわるい。急いでいる人をそこまでして優先する必要はないだろうし、急いでいない人の安全や快適性のほうを優先すべきだと思う。

最近は新型コロナ対策もあるし、エスカレーターで片側を空けても、相手から2メートルの距離をとって横を通り抜けていくことは不可能だ。エスカレーターを使わない暮らしをしているとわからないが、今は都会のエスカレーターはどうなっているのだろう…。


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by 硲 允(about me)