うちの畑がよく見える位置に家が数軒ある。そのうちの一軒に住むじいちゃん(ご家族はそう呼んでいる)と何度か少しお話したことがある。
そのじいちゃん曰く、いつもテレビ見てるか、あんたの様子見てるか、だという。他の畑ではあまり見かけないようなやり方をしているので、面白いのだろう。見られていたとは知らず、びっくりした。見られていると思うとちょっと落ち着かないが、テレビを観ているよりかは、いいのかもしれない。
ハトもぼくらの様子をよく見にくる。今朝も洗濯を洗剤に浸している間、靴下の繕いをしていたら窓の外の木にとまって家の中をのぞいていた。相手が人間だったら通報するところだけど、ハトだから許せる。ハトの暇つぶしやテレビ代わりを提供できるなら、それもいいとしよう。ハトにはテレビはたいていつまらないだろう。音楽は好きなようで、ギターを弾いていると、好みの曲のときに一緒に鳴き始める。鳥の音楽の好みはハッキリしていて、好きではない曲になると急にシーンとなって白ける。
それにしても、テレビは時間泥棒だとよく思う。学生の頃はよく惰性で観ていたが、今思えば、あの時間で他にもっと楽しいことや有意義なことがいくらでもできた。「泥棒」とはいえ、自分で好き好んでそれに時間を費やしているのだから、被害届けを出したり訴えたりするわけにもいかない。時間泥棒に自分の貴重な人生の時間を盗まれないためには、多少、自分の意思の力を働かせて追っ払わなくてはいけない。
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