AIと人間とメガネ屋さん

AIの登場!人間の仕事が奪われるぞ!という話を時々見聞きします。

ぼくが翻訳の仕事をしているのを知っている人は、翻訳の仕事もAIができるようになるのではないかと心配してくれたりもします。

AIが翻訳をしてくれたら、それはラクでいいや、という感じで、ぼくは一向に心配していません。強がりを言っているわけではなく、人間が手直しをする必要のない翻訳を機械にできるとは思えず、その兆しも見えません。人間の言葉は人間の心がなければ操れないものだと思います。

縫い物で目を酷使して、LEDの光に最近敏感になってきました。家に居るぶんには大丈夫なのですが、あかあかとLEDがともったお店へ行くと目がしんどいので、サングラスを探しました。とある眼鏡屋さんに行くと、あまりにも種類が多いので圧倒されて、選ぶのをあきらめてそろそろ帰ろうと思っていたところ、店員さんに救われました。AIの店員さんではなく、人間の店員さんです。ぼくに似合うめがねをいろいろ選んでくれて、感動しました。そのお店には、AIもいました。「いました」というほどのものでもないかもしれませんが、要は、客の顔にあったメガネを診断してくれる機械です。その機械の前に立ってみました。顔に合わせてメガネをいくつか選んでくれるのかな、と思ったのですが、自分で選んできて、メガネをかけて見せると、似合っているかどうか診断してくれるようでした。かけてみて、似合っているかどうか、好みかどうかは自分でもそれなりにわかるもので、機械に見てもらわなくてもいいや、と思って、試しはしませんでした。膨大な種類の中から候補を選んでくれるのなら、まだ参考になるかもしれないと思ったのですが。

最終的には、相方が選んでくれたメガネに決定しました。その店員さんが選んでくれたメガネもどれも好きでかなり迷ったのですが。店員さんは、自らが選んだもよりも相方が選んだメガネをおすすめされて、なおさら感動しました。いくらAIが幅をきかし始めたところで、こういう感動は生まれないだろうと思います。

AIに負けないために、人間はもっと人間らしく生きていかなければ、とも思うのです。