アーユルヴェーダと学校給食

アーユルヴェーダを学んでいると、体質によって適した食が異なるのだということがよく書かれている。

そうすると、みんなで同じものを同じ量だけ食べる学校給食というのは、アーユルヴェーダ的にいえばNGだろう。

インドなどでは、ピッタ、ヴァータ、カパなどのドーシャ別に提供される学校給食なんていうものがあるのだろうか?

スリランカのアーユルヴェーダ治療施設を訪れた方のレポートを読んでいると、同じ日のランチでも体質によって全く異なる食事が出されて面白かった、というような話が書かれていた。

自分の身体にきいてみても、食べたいものや食べたい量はその時々によって異なる。一律で用意された給食を残さず全部食べなさい、というのは無理がある。

今の日本の多くの学校給食は、近代栄養学というようなものに基づいて献立がつくられているのだろうけれど、それぞれの食材の栄養素を中心に組み立てただけでは、他の重要なことをいろいろ見逃しているように思える。まずは毒物を徹底的に除いてほしいが、農薬や化学調味料や放射性物質などが含まれないようにする取り組みをおこなっている学校給食はごく稀な存在で、完全に徹底しているとなると、探し出すのも困難なくらい稀な存在だろうと思う。

自分でお金を稼ぎ、食べるものを自分の意思である程度決められる大人に対し、学校に通わされ、毎日の食を誰かの判断で与えられる子どもたちは、自分の食に対する決定権が限られている。体の土台をつくりあげる時期に、何を食べるか、食べさせるか…周りの大人たちの責任は大きい。