ボゴールパイン(スナックパイン)を手で食べて思ったこと。


沖縄産のボゴールパイン(スナックパイン)。台湾からやってきたと言われている品種らしい。

よく見るパイナップルよりも小ぶりで可愛らしい。栽培されたのは、沖縄県中城村のアグロオーガジャパン(アグロオーガ八重山フルーツ部会)。農薬や化学肥料を使用しない農産物との出会いがきっかけで設立されたそうで、このボゴールパインは、農薬、化学肥料ともに同社比7割減で栽培されたとのこと。

一般的なパイナップルは、包丁で切って食べることが多いと思うけれど、このボゴールパインは、お尻だけカットすれば、あとは一節ずつ手でちぎって食べられると札に書かれていた。

パイナップルを手でちぎって食べるとは、どういうことだろう、「節」ってどこのことだろうと思ったが、やってみるとすぐにわかった。


ボコボコと飛び出しているところ一つひとつを「節」というらしく、たしかに簡単に手でちぎれる。ちぎった一片は、ちょっと歯にも見える。

パイナップルは見た目に迫力がある。それを素手でちぎって食べていると、いかにも植物の「身体」をいただいているという感じがした。

肉食にしろ、菜食にしろ、動物や野菜を殺していることには変わりない、と言う方もいる。しかし、植物は採取の仕方によっては再生するし、たいてい誰でも自分で「殺せる」。自分の手で殺して、素手で食べても、心の痛みを感じる人は少ないだろう。動物となるとそうはいかない。

最近、魚もめったに食べないけれど、外食などで一度食べると、また食べたくなることがよくある。先日、店で魚コーナーに行き、いろんな魚を見比べ、買おうかどうか迷った。美味しそうに見えるんだけど、鯛だったかな、大きな魚の目をじっと見つめていると、その魚が生きていたときの様子や、捕まったときの気持ちが浮かんできて、そのときは結局魚を買わなかった。

ボゴールパインは、動物や魚を食べるときのことを思い起こさせるくらい、なんというか、生きものとしての主張を感じた。


【関連記事】

by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto