フジコ・ヘミングさんの「エリーゼのために」と子どもの頃の絵日記と映画のこと

フジコ・ヘミングさんのピアノで最初に聴いたと記憶しているのは「エリーゼのために」だった。

「エリーゼのために」というと、日本でピアノを習っている人に人気のある曲で、それほど難しい曲でもないので、何年か練習すれば弾けるようになる。ぼくも幼稚園の頃にピアノを習い始め、小学生の頃には弾いていた。他の人が弾くのを聞く機会も多い曲だ。

ぼくは「エリーゼのために」を聞きすぎて、もう聞き飽きていた。自分で弾きたいとも思わなくなっていた。

ところが、フジコ・ヘミングさんが弾く「エリーゼのために」を初めて聴いたときは驚いた。全く別の曲であるかのように、新鮮に響き、心が動かされた。今まで聞いてきた「エリーゼのために」とはリズムが違っていた。こんなに深く、美しい曲になり得るのだと驚かされた。


エリーゼ(CD)

それ以降、「エリーゼのために」はフジコ・ヘミングさん風に弾いてみるようになったが、表面的に少しマネしてみたところで、その感じは出ない。フジコ・ヘミングさんの音には、本人の深い人生の経験が醸し出すものが宿っている。

先日、「暮しの手帖」に、フジコ・ヘミングさんが14歳だったころの夏休みの絵日記が掲載されていた。フジコ・ヘミングさんは素敵な絵も描かれ、当時から14歳とはとても思えないほどの絵や文章を書かれているのを見てまた驚いた。


暮しの手帖 94号(2018年6・7月号)

この絵日記は、2018年6月末に単行本として発売されるらしい。


フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記

6月16日から、フジコ・ヘミングさんが出演される映画「フジコ・ヘミングの時間」も始まる予定。劇場情報を見ると、今のところぼくの住む香川では上映が予定されていないが、どうにかして観に行きたいと思っている。


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by 硲 允(about me)
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