自分を知ってもらうツールについて:手書き名刺、ブログカード、自分マガジンなど…

名刺を交換する機会は、数ヶ月に1度くらいだが、必要なときもあるので、一応つくっている。

業者に印刷をお願いすると選べる紙が限られているし、大量につくっても全部渡す前に内容を変更する必要がでてきたら困るので、常時10数枚くらい、手書きでつくって用意している。

用紙は、ケナフ素材の土佐和紙が気に入ってずっと使っている。この用紙に、名前と電話番号とメールアドレスとブログのURLを一枚一枚書いている。

手書きの名刺を渡すと、「手書きですか?」と驚かれることが多い。つくるのに時間がかかるということで、ちょっとありがたそうにしてくれる人もいれば、「手書きかよ」という感じの表情で(読み違いかもしれないけれど…)ノーコメントの人もいる。自分の気に入った用紙で必要な枚数を簡単につくれる、ということでこうしているだけで、ありがたがってもらいたいわけでも、意表を突きたいわけでもないのだけど、手書きの名刺を渡したときの反応で相手のことが少しわかる。

名刺を持っていないときや、連絡先まで伝える必要がなさそうなときは、ブログカードを渡すこともある。


連絡先を書いた名刺を交換しても、その後連絡し合うようなことは滅多にない。連絡するところまでいかなくても、ブログを読むくらいなら気軽にできるのではないかと思う。ぼくも、初めて出会った人に興味を持ち、その人がブログを書いているというなら読んでみたい。

一度、「自分マガジン」というのをいただいたことがある。その人のこれまでしてきた仕事や、最近書いた記事などが掲載されていて、面白く読んだ。自分を知ってもらうツールとして面白いと思った。ぼくもつくってみようかなぁと、ちょっと思ったが、そう手軽につくれるものでもないので、実行には至らなかった。

ぼくの場合はこのブログが「自分マガジン」のようなものになっている。ブログを書くようになってから、深く付き合える友人が増えてきた。ぼくは口頭で自分のことを話すのが得意ではないので、ブログを読まないと何を考えているのかわからないところがあるかもしれない。一度文章にまとめておくと考えがまとまるので、口頭でも話しやすくなる。コミュニケーションツールとしてブログはずいぶん役立ってくれている。

本もつくっているが、有料だし、自分を知ってもらうための気軽なツールにはならない。ぼくのことをある程度知っている人が買ってくれることが多いが、見知らぬ人が買ってくれることもある。その点は、名刺や自分マガジンとは異なる。見知らぬ人の名刺や個人的なブログカードや自分マガジンを欲しがる人はそうそういないだろう(個人情報を販売して儲けようという人でもない限り…)。

最近は、名前や肩書、受賞歴など泊のついたプロフィールで判断してからその人のコンテンツに触れるのではなく、有名・無名に関わらずコンテンツそのものを自分の感覚で判断する人が増えてきているように感じる。そういうことを可能にするツールが増えてきている、というのもあるかもしれない。YouTubeで面白い動画を配信し続けていたら人気ユーチューバーになったり、ブログがヒットして有名になったり、といったケースをよく見聞きする。

名前と所属と肩書きしか書かれていない名刺をありがたそうに扱わなければいけない風習は、ちょっと違和感がある。所属も肩書もない手書き名刺を配っているのは、そういう風習にちょっと反旗を翻したい、という気持ちもある。


by 硲 允(about me)
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