『噛み方健康法 ーおどろくべき「噛む」効果ー』(正食協会 編)を読んで、よく噛むことを改めて決意。

『噛み方健康法 ーおどろくべき「噛む」効果ー』(正食協会 編)という本を読んだ。



最近、よく噛むことの重要性を痛感している。よく噛んでこなかったので、顎が発達せずに親知らずが横向きに生えて抜かなければいけないことになったし、何をどれだけ食べるべきかをちゃんと感じられずにおかしな食べものを食べ過ぎて身体をおかしくし、内臓にも負担をかけてきてしまった。

本書では7人の方が登場し、「噛むこと」をテーマにした対談や論考が掲載されている。

最初は、マクロビの提唱者、桜沢如一さんの「フレッチャーの『噛み方』主義、その驚くべき効果」という文章。

フレッチャーという方のことは、この本で初めて知った。19世紀半ばに生まれた米国人の商人で、大食い、大酒飲みだったが、40歳の頃に身長168cm、体重88キロ余りになり、体力は衰え、白髪になったという。生命保険への加入を断られてショックを受けたフレッチャーさんは一切の仕事を放棄して、さまざまな療養を試みたが健康は回復しなかった。ところが、医者の言うことは無視し、ふと思いついて次のことを試みたところ、体調がよくなってきたという。

・お腹がぺこぺこになるまでは食べない
・ほしいものを食べる
・口に入れたものはドロドロになるまで、ほかのことを考えず、その食べ物のことだけに精神を集中させて噛む(水を飲む場合も、ほんの少しずつ口に入れ、体温ほどに温めてから飲む)

これを続けていると、体重が減り、20年若返った気持ちで仕事ができるようになり、食事は一日一食で間に合うようになったという。若い友人が付いてこれないくらいの体力になり、18時間で304キロ走り、翌朝、日の出とともに起きて80キロ走り、その後、すぐに自転車で長距離を走ったという逸話が紹介されている。年をとっても体力はますます強化され、60歳のときに自転車で1日に320キロ走り、翌朝にまた80キロ走ったという。

フレッチャーさんは主に「噛み方」だけを提唱しているが、桜沢さんによると、この噛み方を「正しい食物」で実行すると、甘いものやコーヒー、酒類などが自然とイヤになり、副食もほんの少ししか要らなくなるという。

ぼくも最近はよく噛むように心がけていて、よく噛んでいると体調が明らかによくなる。身体が軽くなるし、頭の働きもよくなるし、気持ちが前向きになる。ちょっと油断するとすぐ元通りの粗雑な噛み方に戻ってしまうので、最初はかなり気合いを入れて、よく噛むことを決意しなければ、長年の習慣を変えるのはなかなか難しい。

桜沢さんは、「この実行は必ず、少なくとも1カ月以上もっとも正確に行われなければならない」と述べる。1カ月以上実行すれば、その後はもう自然にそう噛めるようになるという。

「正しい食物」の「正しい食べ方」をつづけると、ふしぎに利欲や名誉、享楽や安逸、不道徳や多淫の情もグングン消え、私のいう健康の大条件がおいおい備わってくる。フレッチャー自らもまったく色欲、食欲の奴隷から解放され、人生の幸福にひたりつつ、多くの人々にこれを説いて回るのを何よりも楽しみとした。

とのこと。たしかに、食事は人間を変える。ぼくも食事を変えてずいぶん変わったと自分で思う。今までは、食べるものに気をつけても、慌ただしいときや気持ちが落ち着いていないときはよく噛まずに食べてしまい、せっかくの食べものが最大限に生かされていないのを感じていた。フレッチャー式の噛み方を実行すれば、もう一段階変化できそうな予感がしている。


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by 硲 允(about me)
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