今年もお米が元気に育ちました。
5年前、「種蒔く旅人」さんからハッピーヒル(自然農法を提唱した福岡正信さんが生み出した品種)の種もみを分けていただき、毎年種をとり継いで育ててきました。
無農薬、無肥料(田んぼに加えるものといったら、庭で草木を燃やしたあとの灰を蒔く程度)、不耕起で毎年元気に育っています。
一年目、畦塗りが間に合わず、水を引くことができずに陸稲として育てたところ、問題なく育ったので、以来、水を入れずに育てています。隣接した田んぼから少し水が滲み出てきますが、今年はあまり水が漏れてきている様子が見られず、それでも問題なく育ちました。陸稲は連作ができないというのが定説のようですが、5年連続でも今のところ大丈夫。耕さず、草を最低限しか刈らないので、田んぼの中の生きものの多様性が保たれているのがいいのではないかと思います。
最初の年は、うちの田んぼのやり方(機械を使わず、道具は鎌とスコップだけですべて手作業)を見て心配された近所のお米農家さんが「初めてのクチやな」「無駄な抵抗!」「ギブアップや!」などと言われながら必死でがんばり、これで失敗したら来年からえらいことやと感じてハッピーヒルさんもがんばってくれたのか見事実り、今では近所の方たちもそっとあたたかく見守ってくれています。
田植えはタイムリミットが厳しく、一番大変な作業ですが、稲刈りは比較的余裕があり、秋の清々しい空の下で心地よい作業です。
3株ずつくらいを麻ひもで結びます。
近所の竹やぶから伐り出した竹を使ってはざ架け。最初の頃は立てるのが下手で何回か倒れて直すのに苦労した経験から学び、今年は念入りに立てました(稲をかけるところにぶら下がってみると、頑丈に立てられてかどうかをチェックできます)。
はざ架けを終えると、今年ももうすぐ終わりだなぁという気分になります。田んぼにもおつかれさま、という気持ちになります。道場を出るときのように、田んぼに向かってお辞儀したくなります。田んぼのいろんな生きものたちのおかげで、今年もお米が実りました。不意に殺してしまった生きものたちへの謝罪と、働いてくれた生きものたちへの感謝を込めて。
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by 硲 允(about me)
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