「種蒔く旅人」が来てくれました。ハッピーヒルや貴重な種の話

お米づくりは今年で3年目。品種はハッピーヒルといい、自然農法を提唱した福岡正信さんが作られ、いろんな方に受け継がれてきたものを最初の年に島根のIさんに分けていただきました。

そのIさんは現在、「種蒔く旅人」として、ハッピーヒルと「伊賀筑後オレゴン」という小麦の種を日本のあちこちに配って廻り、固定種・在来種の種の大切さを伝える活動をされています。

四国に来られる際にはうちにもぜひ寄ってくださいとメールしていて、昨日、突然うちに寄ってくれました。九州から来られたそうです。

こんな車で旅されています。トランクには黒い強そうなワンさんもお供していました。

最初に手渡されたのがこれ。


1万人目指して配られている種。もう4,500人を超えています!

中には、種のお話が書かれた紙と、紙の包みに入った2種類の種。


一昨年にIさんから種籾を分けていただき、その種を採って2年目に育ったハッピーヒルの種籾をお礼にお渡ししました。

その他の種も分けていただきました。


左上から時計回りに、宮崎県椎葉村の椎葉クニ子さんのお蕎麦の種、同じく宮崎の一心園さんというお茶屋さんのトウモロコシ、鹿児島県の桜島の桜島大根(カブのような形をした巨大な大根らしい)、福岡さんのところで受け継がれてきたハッピーヒル。

貴重な種ばかり。大事に育てていきたいと思います。

最後に、種蒔く旅人さんのメッセージをご紹介します。旅の途中でときどきメッセージを更新され、ぼくがいただいたものはVer. 5ですが、ブログ「種蒔く旅人 ハッピーヒル」で最初に紹介されていたメッセージはこちらです。

種の話           
       
これは、お米と小麦の種です。
だれでも食べることには関心を持ちますが、種には無関心です。しかし、種がなければ何も栽培できませんし、何も食べる事ができません。家畜も作物がなければ生きていけません。食べ物はスーパーやコンビニに行けば、いくらでも手に入りますから、みんな安心していますが、もしこの地球から種がなくなれば、スーパーやコンビニの棚には何もなくなります。
その種が今、問題を持ち始めています。皆さんが、あるいは家畜が日常食べている野菜類はほとんどが F1種という種類だからです。F1種というのは 一世代限りの作物で、それから種を採っても同じようには実らず、異品種(奇形、異質)ばかりになります。種の会社が利便性のみを追求し交配した結果です。また、企業による種の支配は食の支配にも繋がり、果ては我々が自由に栽培ができなくなる可能性もあります。
ただし、良い点もあり、色や形が揃い均一な成長をし、保存性が良く、作る・運ぶ・売るのに便利です。問題は毎年買わなければならないので費用がかかること、多量の農薬や化学肥料が必要なこと、また一世代限りの作物を食べていて人間の身体に悪くないかどうか。男性の精子数は以前は平均1億5千万個/ccあったのに、今では4千万個/ccに激減し、将来的には無精子症(2000万個以下)に達する可能性もあります。人間にとっての男性不妊(花粉が無い)と言われるF1種は、果たしてどういう影響があるのか?今のところ、米も麦もF1種ではありませんが、TPPの動向次第ではわかりません。
F1種ではないものを在来種とか固定種といいます。これは以前のように、何世代にも渡って育てる事ができます。私はF1種の問題を知るようになって以来、固定種、在来種を探して無農薬で育てていました。そして、昨年農作業中に事故に遭い、ヘリコプターで病院に運ばれ九死に一生を得ました。自分の人生を顧み、また将来を考えるのに良い機会になりました。それで一念発起、自分で作った種を日本中に撒いて歩くことにしました。それがこの種です。この二種類は固定種でも特別な種です。
米の方は「ハッピーヒル」といいます。福岡(ハッピーとヒル)正信という人がこれからの食料危機に備えて、多収穫の米を交配して作られました。上手く作れば同じ面積でコシヒカリの2倍できます。偶然手に入れ、無農薬栽培しました。小麦の方は幻の小麦「伊賀筑後オレゴン」。大正時代に日本人が交配して作ったそうですが、パンにしても、うどんにしても大変美味しいそうです。この種はネットで探って手に入れ、無農薬栽培しました。
一粒って、小さいですが、実はパワフルなんです。例えば、通常の米一粒から一年目は2000粒(ご飯一杯分)できます。。二年目にそれを全部撒けば、88キロの米ができます。それをまた全部撒くと、三年目は176トン(日本人2750人の一年分のお米)の量です。最低の米の値段で計算しても3520万円の価値になります。もちろん田んぼの面積も広いし、労力も要りますが、その始まりがたった一粒の種であるのは驚きです。さらに5年目には110億人分!このハッピーヒルならば、3520億人分!食料危機もたった一粒から5年で解決するどころか、全人類の50年分!計算上のことではありますが、一粒の価値は底知れぬパワーと永遠性があります。
興味があれば、育ててみてください。種まきは米は4月、小麦は11月。米はバケツに土と水を入れても育ちますし、地面に撒いても育つ品種です。小麦は土に撒きます。どちらも芽だし時期は水をたっぷり。詳しく書けないので、農家の人に聞いたり、ネットや本で調べてください。農家の人は優しい方が多いので農閑期や時間がある時なら、丁寧に教えてくださるでしょう。
私の願いは昔からの在来種や固定種を無農薬で自家栽培する、つまり食の自己防衛です。食の安全が危ぶまれていますが、一番良いのは自分で作ることです。自分で作ると自然のことも段々わかってきますし、我々の奇跡的な存在も奇跡的な地球のこともわかってくるかもしれません。栽培できなければ、このまま冷蔵庫にしまっておいてください。いつか食糧難になったときに、家族や周りの人々を助けることになるかもしれません。ブログに育て方等、いろいろ詳しく書いていきます。コメントを待っています。
ブログ 「種まく旅人 ハッピーヒル」 http://happyhillcontest.seesaa.net

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