食事中、「よく噛んでる?」と相方によく言われます。昔の武士は、一口で食べるお米が25粒くらいで、それを30回噛んでいたと、相方は親に言われて育ったという。
25粒ってどれくらいでしょう。お茶碗のお米を箸で1粒ずつ数えてみました。すると、たったのこれだけ!? という感じです。「武士ってずいぶんおちょぼ口だったんやな〜」と悪ふざけ。ぼくは一口でその3倍くらいは食べていました。
まぁやってみるかぁ、ということで、玄米25粒を30回噛んでみたところ、いつもよりお米を「味わう」ことができました。お茶碗一杯をこの方法で食べてみたところ、お米がなかなかな減らない! じれったくなりますが、我慢。そして、食べ終わると、いつもはおかわりをするのに、一杯で満足しました。
「そうか、食べ方がわかってきた! 食べものを胃に満タンに詰め込んだらいいわけじゃないんやな! 胃が満タンにならんくても満足したわ」と言うと、相方は呆れた様子でした。
「そうやで。胃にもやさしいしな」
ぼくは胃酸が出過ぎているのか、お腹が空くと胃が痛くなったり気持ちわるくなったりすることがあるのですが、よく噛んでいると、気持ちのいい空腹感を感じられるようになりました。食べものを一気に胃に詰め込むと、身体がそれを必死で消化しようと、胃酸を出しすぎるのかもしれません。
香川出身の方に、さぬきうどんというのは噛まずに飲み込むのが本来の食べ方だと聞かされたことがあります。その方は、こうやるんだと言って、噛まずに飲み込んで見せてくれました(苦しそうでしたが…)。
あるとき、これまた別の香川出身の方と一緒にうどん屋に行き、その頃、ぼくは「よく噛む」というのを特に熱心に実践していたので、その方がうどんと天ぷらとおでんを食べ終えても、ぼくはかけうどん一杯をまだ半分しか食べておらず、ずいぶん待たせてしまったことがありました。香川の人たちは、うどんを食べるのが本当に早いです! 相方とうどん屋に行くと、ぼくらが食べ始めて食べ終わる頃には、近くに座っているお客さんが2、3回転しています。
よく噛むといいことがいろいろあるようで、
- 虫歯の予防
- がん予防
- ぼけ防止
- 肥満予防
- 姿勢がよくなる
- 胃腸の働きをよくする
- 味覚が発達する
- 言葉の発音がよくなる
- 精神的ストレスが軽減される
などと言われています。
忙しかったり、心が落ち着いていないと、ついあまり噛まずに飲み込んでしまうので、「米25粒を30回噛む」と書いた紙を、食卓からよく見えるところにはっています。