足踏み脱穀機と唐箕で稲を脱穀。手足を使って動かす道具は感動が違う!


今年も、福岡正信さんが生みの親のハッピーヒルというお米を無農薬・無肥料・不耕起で水を引かずに育てました。

田んぼではざ掛けして約3週間天日乾燥させた稲をいよいよ脱穀。森林活動の先輩で、高松で稲作をされている方に足踏み脱穀機と唐箕を使わせていただくことになりました。去年の稲はザルとボウルでちょっとずつ脱穀していましたが、初めての本格的な脱穀にわくわく。

ぼくは車もトラックも持っておらず、トラックで迎えに来ていただいて稲を運びました。

小さな山の麓が作業場。ここ数日は晴れの日が続いて稲が充分に乾燥し、もうすぐ12月半ばだというのに汗ばむような陽射しでした。


倉庫の奥から3年振りに登場した「足踏み脱穀機」。明治の頃の農具です。


落ちた籾を拾いやすいように地面にブルーシートを広げ、籾が飛び散りにくいようにむしろの幌をかぶせました。

ペダルを踏むと、重厚感のある音を立てて回り出しました。


束のまま稲を押し当て、何度か回転させるとあっという間に籾が外れます。ペダルを踏んで勢いよく回すと、足を離してもしばらく回り続けます。千歯扱きで脱穀したときよりも何倍も早い。ペダルを踏む足の感覚や、昔を想わせる音…気持ちのいい作業で思わずにやけてしまいます。


そのあと、ふるいにかけて籾に混ざっている藁などを取り除きます。

次に、唐箕の出番。


レバーを回転させて、風を起こします。回す速度が大事で、遅過ぎると藁やくずが飛んでいかないし、早過ぎると籾まで飛ばしてしまいます。手前に2つ出口がついていて、右側から一番米(実のよく詰まった米)、左側から二番米(実のあまり詰まっていない米)が出てきて、むしろをかぶせてある左の方から実の入っていない籾や藁が飛び出すので、その様子を見ながら風力を調整します。


こうして一通り寄り分けましたが、一番米にわらなどがまだ混ざっていたので、それをもう一度唐箕にかけて完成。

「手作業でゆっくりやるのも楽しいわな」「コンバインでやったらこれだけの感動はないやろなぁ」などと、みんなで話しました。

籾を外した藁は、田んぼに返しました。

去年のお米は脱穀がなかなか進まずにほとんど残ったままですが、おかげさまで今年は新米のうちにたくさん食べられます。

「道具もないのにお米育て始めたけど、助けてもらえてありがたいなぁ」と相方としみじみ話しました。


【参考図書】
お米づくりはこちらの本を主に参考にしています。


自然農の米づくり ——大植 久美 (著), 吉村 優男 (著), 川口 由一 (監修)

【商品紹介】
新しいタイプの足踏み脱穀機や唐箕も販売されています。




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by 硲 允(about me)
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