香川に移住して1年半あまり。いろんなうどん屋へ行ってみましたが、個人的なさぬきうどん店3選はというと、「石川うどん」「明水亭」、そしてこちらの「麦香」。
初めて訪れたときの写真です。郵便配達の方も、お昼休み。赤いバイクが絵になっていました。
外の看板を見て、冬限定のしっぽくうどんに決めました!
店内は、テーブル席のほかに座敷もあります。お昼前なのでまだ空いていますが、このあと急に混んできました。いつも賑わっています。
メニューはこちら。
このセットメニューはお得! カレーうどんは、香川のうどん屋ではけっこう珍しいですね〜。
しっぽくうどんが運ばれてきました〜。具だくさん。
麺をアップで・・・
つるつる。ほどよい弾力。やさしい味です。
さぬきうどんと言っても、香川のうどん屋のほとんどでオーストラリア産の小麦粉が使われていますが、麦香では、香川産のさぬきの夢2009と北海道産のキタホナミをブレンドしているそうです。
出汁はこんぶに伊吹産(香川県観音寺市に属する島)のいりこ、メジカ(鰹の仲間)、ウルメイワシ、サバ、鰹の節で取り、油分の少ない厳選した素材を使っているとのこと。
「うどん県」と自ら名乗るくらい、「讃岐うどん」は香川の代名詞となっているように、もともと香川県の土壌は「小麦」の生産に適し、塩田による良質な塩の生産が盛んで、うどんの麺作りに最適だったようです。
それに、小豆島の醤油や伊吹島のイリコなど、うどんのつゆに欠かせない素材も良質なものを確保できたそうです。
「さぬきうどん」というと、強いコシを連想する人が多いと思いますが、地元の人でも「コシ」について勘違いしている人が多いそうです。
その「讃岐うどん」の特徴はうどんの主役でもある麺の『強いコシ』だと言われていますが、地元香川の人でも「コシ=固さ」だと勘違いしている人が多いのが実情です。
単に"固いうどん"にするのであれば「茹で時間を短く」すれば済みます。
麦香が考える"本当の意味での麺のコシ"は「口に入れた時柔らかいかなと思うが噛めばもちっとしている」ことであって、"固い"とは全くの別ものなのです。
讃岐うどんの製法には古くより「足踏み」という作業があります。
この「足踏み」という工程により、うどん生地に"適度な力"を"色々な方向"から加えることができ、麺のコシの元となるグルテンの弾力が増します。
麦香ではこの「足踏み」と「生地を三つに折りたたむ」ことを7回繰り返しており、結果2187(3の7乗)の層が出来上がります。
それによって生まれるのが、他の讃岐うどんの店に比べて細めでありながらもコシを感じることのできる麦香の麺です。
ゴムのような弾力の「固い」うどんを出しているところは、オーストラリア産の小麦を使っています。さぬきの夢を使っているうどん屋さんは、どこも「固い」うどんではなく、上で語られているような本物の「コシ」があります。
毎日大量につくるとなると、「足踏み」は難しいんでしょうね〜、麦香はいまだに「足踏み」を続けている貴重なお店です。
さぬきうどんは、セルフの店が主流です。つまり、少し前に茹でた麺をそのままか、温めなおして出汁をかけます(かけうどんの場合)。しかし、麦香では注文を受けてから調理を行う方法にこだわっています(そういう店をさぬきうどん用語で「一般店」と呼びます)。客は少し待つ必要がありますが、うどんの麺は茹でたて、天ぷらも揚げたてです。
さぬきうどんを求めて県外から訪れて人が、1日にいろんなお店のうどんを食べられるように、麦香では「複数人による一杯のうどんのシェア」も歓迎していて、ミニサイズのうどんもあります(ミニサイズは30円引き)。
テーブルには、自家製の青唐辛子としょうがコショウも。お土産うどんもあります。
しっぽくうどんで身体が温まりました。お昼にうどんだけだともの足りないこともあるのですが、ここのうどんは満足感が高い。
駐車場からのすがすがしい眺め。香川に来てよかったなぁ〜
●お店の情報
麦香(ばくか)
営業時間: 10:00-15:00
定休日: 毎週水曜日
座席数: テーブル席20席、カウンター席6席、座敷12席
電話番号: 0877-86-2910
住所: 香川県丸亀市綾歌町岡田上1898-3
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