どんな表現が、どんなときに生まれてくるか

畑仕事をしていると、ふっと言葉が降りてくるというか、浮かんでくることがあります。心の声のようなものから、見たものの描写のようなものであったり。

今日は久しぶりに畑に行ったら、長靴を履いた足が霜焼けになりそうなくらい土が冷たかった。

そしたら、誰に話し掛けるでもなく「足先が冷えます」という「です・ます調」の言葉が浮かんできて、自分でもおかしかった。最近、毎日「です・ます調」のブログを書いてるからやなぁと気づききました。

小説を書いている時期は、小説を書くときのような言葉が浮かんできます。最近は小説をお休みしてブログばかり書いていたので、頭の中がすっかりブログモードに切り替わっていたようです。

ふとした瞬間に浮かんでくる言葉の形式というのは、普段どういう形で表現しているかによるのだとわかって面白く思いました。

文章ではなく人と話して表現することのほうが多い人は、誰かに直接話すような言葉が浮かんでくるんだろうなぁと思いました。

絵描きならふとした瞬間にイメージが浮かんでくるでしょうし、ミュージシャンならメロディが浮かんでくるでしょう。ぼくは音楽も少しするので、メロディが浮かんでくることは時々ありますが、自分が見たことのない絵のようなイメージが浮かんでくることは全くといっていいほどありません。

「三上(さんじょう)」という言葉あります。いいアイデアや考えが浮かびやすいのは、「馬上(ばじょう)<あるいは鞍上(あんじょう)とも>」、「枕上(ちんじょう)」、「厠上(しじょう)」、つまり、乗馬による移動中や、寝床で寝入る前や、トイレで用を足しているとき、という意味です。

馬では移動しませんが(してみたいですが)、自転車をこいでいるときは発想が豊かになり、ふとメロディが浮かんでくることもあります。布団に入るとすぐに寝てしまうし、トイレはすぐに終わるのでダメですが、田畑で作業しているときに何かを思い付いたり、書き留めておきたいような言葉が浮かんだりすることがあります。特に、機械を使わずに、鎌で草を刈っているときに。機械を使うと音がうるさいし、ケガをしないようにある程度に注意力を保つ必要があるので、頭の中が空白のような状態になりにくいようです。

どんな場所で、どんな表現が生まれてきやすいかは、人それぞれで面白いですね。


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by 硲 允(about me)
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