ごま豆腐を手づくり。白ごまと葛粉、シンプルな材料で

ごま豆腐といえば、ぼくは和歌山で生まれ育ったので高野山のごま豆腐が馴染み深い。ごま豆腐にごまが入っているのは当たり前だけど、他にどんな材料でつくられているのか、最近まで疑問に思ったことすらなかった。

「豆腐」と名につくけれど、通常の豆腐のように大豆が入っているわけではなく、ごまの他には葛粉や片栗粉などが使われているらしい。といっても、商品によりけりだろう。シンプルな素材でつくったほうがごま本来の風味が引き立てられそうだけど、ものによってはいろいろ余計なものが入ってそうなので、買う前には原材料を確認したほうがいいかもしれない。

家でつくれば自分の好きな材料だけでつくれる。年末に相方がつくってみてくれた。


すり鉢とすりこぎでごまをよく摺る。市販のごま豆腐のごまには白ごま、黒ごま、金ごま、どれもあるけれど、黒ごまよりも白ごまのほうが油分が多いらしい(金胡麻はその中間くらい?)。白ごまが使われることが多いようだけど、「豆腐」っぽいからだろうか。


ごまがしっかりペースト状になったら、ある程度の水を入れ、火にかけて葛粉でとろみをつける。冷ましたら完成。

手作りごま豆腐

すりおろしたショウガを乗せ、醤油をかけて食べた。煎りたて、擦りたてのごまは風味が強く、濃厚でごまの自然な甘みのあるごま豆腐ができた。市販のごま豆腐に近づけるには、ごまを摺ったあとで裏ごしすればごまのザラザラ感がなくなるだろうけれど、ごまの食感がちょっと残っているのも美味しい。この辺はお好みで。

高野山の「角濱ごまとうふ総本舗」のウェブサイトを見ると、「精進料理の中で貴重な栄養源として重宝されてきた一品、ごまとうふ。修行僧にとっては調理もまた修行であるといわれます」とのこと。最近料理にはまっていて、調理も修行、というのはわかる気がする。料理には気持ちが反映される。ごま豆腐はしかも、たくさんつくるとなるとごまを摺るのが大変なので、文字通り修行になりそう。毎日食べたいけど、毎日つくるのは大変。でも、思い出しては食べたくなる美味しさと満足感。冬の夜長にいかがでしょうか。


by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto