水、食料、暖房が断たれたときにどう生き延びるか。水道が止まって感じた危機対策の重要性

先日、水道の工事で家の水道が数時間止まった。普段は蛇口をひねれば水が出るのが当たり前のように思っているけれど、このシステムが機能しなくなれば簡単にライフラインが絶たれてしまうおそろしさを感じた。

東日本大震災のときも、その後しばらくはどの店も水が品薄で、直後のコンビニは弁当などの食べ物もほとんど残っていなかった。

東京でわき水のでる場所は把握していなかったが、香川では2カ所、水の沸いている場所を知っている。といっても、どこの家庭でも水道が止まっているような場合、わき水の場所には車の列ができて簡単には汲めないだろう。

簡単に水が手には入らないとなれば、『みんなのちきゅうカタログ』(ソーヤー海 監修)で紹介されていた、足にタオルを巻いて草の中を走り回って朝露を集める方法や、葉っぱや地面から蒸散される水を集める方法を試してみるだろう(これらはやったことがないので、いざという時のために、練習してできるようになっておきたいと思っている)。

うちには無いが、雨水タンクもいざという時に役立つだろう。『みんなのちきゅうカタログ』(ソーヤー海 監修)には、汚れた水を簡単に濾過する方法も紹介されていた。水の濾過も、普段から練習しておけば、いざという時になって慌てないで済むだろうと思う。

数日や1週間くらいの断水なら、普段からペットボトルなどに水を汲み置きしておけばどうにかなるかもしれない。普段から数十本のペットボトルに水を汲んで、水道代わりに古いものから順に使い、使い終えたペットボトルにはまた水道水を補充しておくという方法を何かの雑誌で読んだことがある。

食料が手には入らなくなった場合はどうするか。東京暮らしの頃は為す術がなかったが、今は育てたお米の蓄えや畑の野菜があり、春なら食べられる野草も多く、そう簡単に飢え死にはしないだろう。

寒い地域では、冬の寒さ対策も生死に関わる問題となる。この冬に2台目の石油ストーブを買ったとき、ネットショップの口コミを見ていると、北海道の停電の際に電気駆動のヒーターでは役立たなくなってしまい、それで石油ストーブを購入した、という書き込みが多く見られ、切実さを感じた。香川の平地くらいの寒さでは、冬に暖房器具がなくても何とかならないこともないが(移住して1年目は、火鉢だけで冬を乗り越えたが、結局3月に石油ストーブを購入した)、雪が毎日降り積もるような地域ではそういうわけにはいかない。電気が止まり、石油も買えない事態を想定すると、ひと冬分の薪があり薪ストーブや暖炉があれば安心だろうか。うちには薪ストーブや暖炉はないが、薪はあるので、電気や石油やガスがなくても(ガスはもともと使っていない)、調理の火には困らず、外でたき火をすれば暖もとれる。薪というのはいざというときに本当に頼りになる。

水道が止まれば、水洗トイレも流れなくなる。東京で大地震が起きればトイレが使えなくなって大変なことになる、という話を読んだことがあるが、たしかに、土のある場所が少なく、人がこれほど集中した場所では、必要十分な仮設トイレを設置するだけでも大仕事だろう。東京から香川に移住した際、コンポストトイレづくりで四苦八苦した。水洗トイレを使うのが当たり前になっていて、自分の身体から出るものを自力でどう処理すればいいのかを何十年も知らなかったというのは、情けないことだとそのときに感じた。今はある程度快適なコンポストトイレができたので、うちでは水や電気が止まってもトイレには困らなくなった。


コンポストトイレがなくて、仮設トイレもすぐに設置されなくていざという時は、公園など土のある場所で地面に穴を掘って、簡易テントで目隠しをし(ブルーシートや透けないビニールなどでも)トイレが済んだあとに落ち葉や土をかけ、一杯になったら場所を移していくのが手っ取り早いと思う。

そんな緊急事態が訪れないのが一番だけど、いざという時のためにできる限りの備えをしておくのは重要だと、水が止まって改めて感じた。日頃は緊急事態のリスクのことは考えないが、備えがあるのと無いのとでは、潜在意識のところで日々の安心感がずいぶん違うのではないか。まずは朝露や葉っぱから水を集めてみようかと思う。


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by 硲 允(about me)
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