『みんなのちきゅうカタログ』(ソーヤー海 監修)を読んで。子どもも大人も、楽しいことが見つかるかも

『みんなのちきゅうカタログ』(監修:ソーヤー海、絵:ニキ・ローレケ/川村若菜、文:福岡梓)という本を読んだ。



監修のソーヤー海さんは、都会でパーマカルチャーを実践するという「東京アーバンパーマカルチャー(TUP)」を主宰し、パーマカルチャーのほか、非暴力コミュニケーション、マインドフルネスなどのワークショップを世界各地で開催されているらしい。

パーマカルチャーとは、本書によると、「地球のうえでたのしく生きるためのくらしの工夫のこと。これは世界中の先住民、農家の人、動物や植物たちがやってきたことをまとめたものなんだ。」と書かれている。

ぼくはパーマカルチャーについては、本を一冊読んだくらいのもので、詳しく体系的に勉強したことはないけれど、自然に沿った暮らしを心がけていると、いつの間にかパーマカルチャーでいわれているようなことをいろいろ実践することになる。うちの畑は四角ではなく、畝を丸く放射状に配置していて、それをつくったときはパーマカルチャーを意識したわけではないけれど、円い畑ははパーマカルチャーで実践されていて、パーマカルチャーを勉強した方に言われて気づいたことがあった。

この本は子ども向けに書かれているけれど、大人が読んでも楽しい。絵がたくさんあって、忙しい人でもパラパラと読み進められる。

どんなことが書かれているかというと、「食べものの畑をつくろう」「自分たちの街は、自分たちでつくる!」「みんなデザイナーになれる」「お金を使わないで生きる」「伝統を取りもどす」「交換から与えたいへ」…見出しをいくつか挙げてみたけれど、テーマは幅広く、どれも実践すれば暮らしが楽しくなって、わくわくできて、頭もよくなって、健康にもなれそうなことがいっぱい。子どもの頃にこういう本に出会っていたら、何かに目覚めていたかもしれない。

大きなメッセージもあれば、テーマによってはすぐに実践できる具体的なことも書かれている。たとえば、水の集め方。子どもの頃は、水は水道から当たり前のように出てくるもので、水道がなければ飲み水をどうやって得るかを考えたこともなかった。この本で紹介されているのは、植物にビニール袋をかけて葉っぱから蒸発した水を集める方法と、足にタオルやハンカチを巻き付けて、早朝に草むらを歩き回って布にしみこんだ朝露を集める方法。なんと、朝露の方法では、1時間に約1リットルの水を集められるらしい!(試してみたい!)。川見図を活性炭や砂などで濾過して浄化する方法も紹介されている。

「おとなにないしょで勝手に種をまこう!」というのも、子どもの面白い遊びになりそうだと思った(いい学びにもなりそう)。食べた果物や自然に生えている植物の種を見つけたり、誰かにわけてもらったり買った種を、手入れされていない歩道の植え込みや、手入れされていない誰かの植木鉢(!)や、使われていない空き地に蒔く(苗の場合は植える)という! テレビゲームよりよっぽど面白そうだけど、子どものころはこんな遊びをしてみようと思いもしなかった。ぼくの好きな果物の種をまいて自分で育てて新鮮で健康にもいい果物をいっぱい育てればよかった!

小学校の教科書はこんな本だったらよかったのに、と思う。大人になってからでも遅くない。楽しそうなことがたくさん見つかる一冊。




【関連記事】

by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto