キャビアの茶漬けと黒沢明監督の言葉。久しぶりにテレビを見て

うちにはテレビがないけど、外出先でテレビが付いてて、久しぶりに見た。

どこのチャンネルか知らんけど、鯛の刺し身とかキャビアの乗った、何万円もするお茶漬けが紹介されてて、スタジオで実食!とかいって。スタジオには何人かおるのに、出てきたのはお茶漬け1食。あれっ、と思ったら、高価やからか、みんなで1食らしい。でも、真ん中らへんにおった男の人が一人でスプーンでキャビアを食べ始めて、スプーンも一つしかないし、「あんたの食べたスプーンで食べるのはイヤ」とも言えんやろし、ちょっと不衛生な感じやなぁ、みんなどうするんやろなぁと思ってたら、その男の人が一人で食べ続けて、他の人たちは食べれてなさそうだった。なんで分けてあげんのやろ?どうなってんのやろ?と思った。(まぁ、出演者の間では予めそういう打ち合わせになってたんやろけど)。キャビア山盛りのお茶漬け、そんなに美味しくなさそうやし、別に食べたくないなーと思った。高級品やからといってみんなで仰天してありがたがって、テレビの中の世界は未だに古くさいなぁーと思った(失礼しました)。

ほんで、歌手の誰が骨の病気で手術する予定だとか(そんなん知っても助けてあげれもしないのに!)、この1年でどこの有名人が結婚したとか、引退するとか、下世話なゴシップが続く。

下世話なゴシップが続く間、画面の下に出演者の顔が順番に映し出されるのを見ながら、それぞれのゴシップに合わせた表情をいちいちつくらなあかんのも大変な仕事やなぁと思った。無表情でおったら、後から「あんなんじゃあかん!」って注意されるんやろなぁ。くだらんゴシップにいちいち感情動かされてるフリし続けてたら、人間おかしくなりそうや。

いい話もあった。

映画監督の黒沢明さんがかつて、自分が400歳まで生きれたら映画の力と美しさで世界を平和にしてみせるのに、というような話を大林宣彦監督にされたらしい。大林監督は現在、肺がんで余命半年を宣告されてるのにその言葉を胸に映画をつくり続けてる姿に勇気づけられた。

どうせ生きるなら、どうせ何かに取り組むなら、それくらいの心意気でやり切りたいもんやなぁと思う。


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by 硲 允(about me)
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