種を海外に送るには。お米(ハッピーヒル)の種をインドに送ろうとして諦めた話。


種を外国に送るのはなかなか難しいみたい。

うちで育ててるお米は、自然農法を提唱された福岡正信さんという方が生み出した「ハッピーヒル」という品種で、福岡さんは日本ではあまり一般的には知られてないけど、世界各地で自然農法を実践されている方から知られていて、福岡さんの農法を学んでお米を育てている方がいろんな国にいるみたい(どれくらいの人数がいるのかはわからないけど)。

インドで福岡さんの自然農を実践されている方とネットで知り合って、ハッピーヒルを育ててるんやけどうまく育たない年が続いて種もみの発芽率が落ちてきたから種を送ってもらえないか、という相談を受けた。そういえば、種を外国に送る場合って、ただ封筒に入れて国際郵便で出したらいいわけじゃなくて、検疫とかいろいろあるんよなぁ…と思ってネットでちょっと調べてみたら、なにやらやっぱり面倒そう。

「植物防疫所」というのが全国にあって、ひとまず最寄りの防疫所に電話をして、インドの知人にお米の種籾を送りたいんですけどって相談すると、インドの制度を調べてみますと言われて、数時間後に折り返し連絡をいただいた。

外国に種を送る場合、相手国の制度によるけれど、インドの場合、インド農業省というところから許可を得て、その後、日本で種もみの検査を受けて、ようやく送れることになるらしい。

ハッピーヒルの種もみを送るにしても30粒あれば十分とのことだったので、担当の方に、数十粒だけなんですけどねぇ…と言ってみると、数は関係ないとつっこまれた(そりゃそうや)。ぼくはしないけど、ネットで見ていると、封筒に入れて普通に送ってる人も結構いるみたいで、そういうのは法律で罰せられるんですよねー…ときいてみると、相手国によっては厳しい制度がある場合もあり、ルールを守ってください、とのこと。数十粒くらいだったら、封筒に入れて普通に送ったらいいんじゃない?と思っていたとしても、立場上、そんなことは言えるはずがないよねぇ…と思いつつ。

ぼくは法律(?)をちゃんと守りたいので、インドの方にそういう事情を伝えたら理解していただけたようだった。相手国から承認を得る場合、国によってはお金がかかる場合もあるらしい。インドの場合はどうかわからないけれど、有料の場合、数十粒の種を送るのではとても割に合わないだろなぁと思う。

外国に種を送りたい機会なんていうのは今までに無かったけど、いい勉強になった。植物からすれば国境なんて関係ないだろうけど、人間のルールのある世界では、種の行き来には国境の壁は厚い。


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by 硲 允(about me)
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