昨年自家採種したキュウリの種 |
いよいよ種まきの季節ですね。
うちの畑では、昔から受け継がれてきた固定種か在来種の種だけを蒔いています。
その辺のスーパーやホームセンターで販売されている種の大半は、「F1(一代雑種;First filial generation)」の種です。「F1」の種は、どうやってつくられているかパッケージを見てもわからず、なかには、自家受粉を防ぐためにおしべに異常が生じて花粉が機能不全になった個体を使用したり、ハウスの中を二酸化炭素だらけにして植物を狂わせたりしてつくっていることもあるそうです。
研究室でつくられた野菜よりも、各地域で代々受け継がれてきた野菜にぼくは魅力を感じるし、そういう野菜を残していきたいなぁと。最近は、各地で「伝統野菜」を見直す動きも高まっているような感じがあり、旅行に行くと、その地域ならではの野菜を食べたり買ったりするのが楽しみです。
種のことは、主に野口勲さんの『タネが危ない』という本で学びました。
タネが危ない(野口勲)
それまで、種のことなんてほとんど考えたこともありませんでしたが、これを読んで種の世界への関心がわいてきました。
この本が発売された辺りから、自然食品店で「固定種」「在来種」など、野菜の種に関する表記を見掛けるようになってきました。
普段、種の購入は、この本を書かれた野口勲さんが営む「野口のタネ(野口種苗研究所)」や、海外のオーガニック認証を受けた農場で栽培された種だけを扱う「たねの森」、日本の伝統野菜の種をいろいろ扱う「畑懐(はふう)のタネ」などにお願いしています。
F1の種で育てた野菜は、種を採って育てても、次にどんな性質の野菜が生まれるかわかりませんが、固定種・在来種の野菜は、自家採種すれば、また同じ性質の野菜を育てることができます。それに、F1の種は、一斉に芽を出し、一斉に収穫期を迎えるようにつくられていますが、固定種・在来種から生まれた野菜は個体差があり、成長速度がまちまちなので、家庭で食べる分にはそのほうが長期間楽しめます。