自分の「内側に向かう書き方」と「外側に向かう書き方」。バランスが大事。

By MAKY.OREL (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons


自分の「内側に向かう書き方」と、「外側に向かう書き方」があります。

言い換えると、自分の内面を見つめながら書く書き方と、他者に向かって働きかけようと思いながら書く書き方。両者は完全に別々のものではありませんが、書いていて、どっちに傾いているか、というのは自分で感じられるものです。

「内側に向かう書き方」だからといって、結果的にその文章が他者に働きかける力が弱いとは限りません。書き手が自分の内側と向き合って書いた文章は、読み手をその人の内面へと導く力を持つことがあります。

反対に、「外側に向かう書き方」だからといって、自分の内面と向き合うことを疎かにしているとは限りません。既に何度も何度も自分と向き合って考えたことは、自分でもはっきりしているので、書くときに自分の内面を丁寧に確認しなくても思い切って外に向かって書くことができます。ところが、それまでにあまり考えてこなかったようなことについて書くときは、自分の内面とじっくり相談しながら書かないと、後で簡単に自分でひっくり返せるようなことを書いてしまうことにもなりかねません。

「外に向かって書く」というのは、会話のときに話すのと似ています。

「内側に向かう書き方」ばかりしているときは、急に人と会ってもうまく話せないことがあります(そのうち、だんだん自分の内側から抜け出してきて、話し方を思い出します)。

ブログという表現手段で気に入っていることの一つは、「内側に向かう書き方」と「外側に向かう書き方」の行き来が自由にしやすいこと。書き手のポリシーにもよりますが、記事ごとに書き方やトーンが違っていても、たいして違和感がないと思います(記事を順番に読んでいったときの流れをある程度は意識していますが)。

人間、バランスが大事です。内側に向かいたいときもあれば、外側に向かいたいときもある。どっちでも、気分に合わせて書ける場所があるのはいいことです。