「考えること」と「書くこと」について。



「文章を書く」というのは、既に自分の頭の中にあることを書くことでもあり、同時に、書きながら考えることでもあります。

ぼくはブログを書くとき、あらかじめテーマや伝えたい漠然としたメッセージを念頭において書きはじめますが、書いてみてはじめて自分でも分かってくることや、書きながら生まれてくる考えや想いというのもあります。

今のようにパソコンがなく、紙や筆記用具も簡単に手に入らなかった時代の人たちは、文字を書かなくても頭の中だけで考える能力がもっと優れていたのではないかと思うことがあります。ぼくは、何か考えが浮かんできても、後で書きながら続きを考えよう、と思って、思い付いたテーマだけをメモしておくことがありますが、簡単に書く手段がないとすると、頭の中だけでもっと考えるか、誰かと話しながら考えるかするしかありません。(ぼくは書きながら考えるほうがやりやすいですが、誰かと話しながら考えを整理したり深めていくのが得意そうな人もいますね)

ブログのいいところは、書きながら自分の考えを整理したり深めたりしながら、即座にそれを発信できることです。ただし、発信する前提で考えたり書いたりするので、それが自分の思考に何らかの制限をもたらすことはあるとは思いますが。ぼくは一時、他者の目を意識しながら文章を書くことで自分を歪めてしまうことをおそれて、誰かに見せることを前提にしていない自分のノートにひたすら考えたことや思ったことを書いていた時期があります。そこから徐々に慣らしていき、今では誰でも見る可能性のあるブログでも比較的自由に書けるようになりました。

「考えること」と「書くこと」は密接に結びついています。だから、「書き方」を変えると、「考え方」にも影響を与えます。パソコンを使いすぎて目が疲れていると、ノートに手書きでブログ用の文章を書いて相方に入力してもらうことがありますが、手書きにするだけでもキーボードで打つのとは中身が違ってくるので、面白いものです。