草を生やしていると野菜に虫がつく? いや、肥料のやり過ぎが原因かもしれません。

散歩中に見つけた、線路沿いの砂漠のようなところで育っている大根


うちの周りもそうですが、畑の中やその周辺の草はなるべく全部、すってんてんに抜いておくのがいい、と考えている方が多いようです。

昔からの慣習だからそうしている、という方も多いのかもしれません。関東から香川に移住して農業を始めた友人が近所の人にその理由を訊ねたところ、答えられなかったそうです。

草をなくしたほうが「見た目がすっきりしていい」とか、「早めに抜いておかないと伸ばしてしまうと後から大変になる」とか、そうされている方の理由はいろいろあると思いますが、「草を生やしていると虫が集まってきて、野菜も食べられてしまう」と考えている方もいるようです。

うちの畑は、草ぼうぼうですが、野菜が虫に食べられて困ったことはこの2年間で一度もありませんでした。葉ものをちょっと虫が食べることはありますが、自分たちが食べるのに困るくらい食べられたことはありません。

「ナチュラル・ハーモニー」という自然食品店を営む河名秀郎さんの『野菜の裏側 ―本当に安全でおいしい野菜の選び方』という本によると、「虫が来るのは硝酸性窒素のせい」とのことです。

(硝酸性窒素については、昨日の記事でも書きました)

緑の薄い野菜と濃い野菜、どっちを選びますか? 硝酸性窒素の危険性について。 - 珍妙雑記帖






肥料として大量の窒素を使うと、硝酸性窒素をたくさん含む野菜ができます。それを目がけて虫がやってくるそうです。

極端にいえば、虫は硝酸性窒素を食べに来るのです。硝酸性窒素こそが彼らのエサです。

河名さんが実際に全国の生産者たちに会ってみて、病虫害に悩んでいる方のほとんどが(窒素をたくさん含む)動物性肥料を大量に使っていることがわかったそうです。

ぼくは畑で肥料を使ったことがありませんが、おそらく、というかほぼ確実に肥料を使っている苗を買ってきて植えると、やはり虫がやって来ました。。

昨年まで、基本的に種を直播きして野菜を育てましたが、早く夏野菜を食べたくて、白瓜やナスを苗で買ってきて植えたところ、虫が白瓜の葉っぱをレース状になるまで食べていました。ナスも、種から育てたものは 虫一つ付かずピカピカに育ちましたが、苗で植えたものは虫が実の中のほうまで食べて、しかも病気がちでした。(そんなことがあったので、今年は自分で苗を育てています。)

虫が集まってきて困ったときは、まずは肥料のやり過ぎを疑ってみるのがよさそうです。