きれいな桜色のお菓子のラベルを見ると、原料に「コチニール色素」と書かれていることがあります。
コチニール色素は、中南米のサボテンに寄生するエンジムシという昆虫から抽出した色素らしいです。それを知ってから、原料にコチニールと書かれていると食欲が落ち、食べる気がしなくなりました・・・。
食品ではお菓子のほか、清涼飲料水、ハム、かまぼこなどに使われ、薬品、医薬部外品、化粧品(口紅、アイシャドーなど)にも使用されているようです。
コチニール色素による健康被害も報告されており、消費者庁が「コチニール色素に関する注意喚起」を出しています(平成24年5月11日)。
コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、アナフィラキシーを引き起こしたと推定される事例が、1960 年代から数にして20ほどの論文等で報告されています。急性のアレルギーを発症した場合、呼吸困難などの重篤な症状となる可能性もあるため、消費者庁として注意喚起を行います。
アナフィラキシーとは、呼吸困難、嘔吐、下痢、湿疹などを引き起こす急性アレルギー反応。
「現在までに論文などで報告されている発症事例」として、次のように書かれています。
コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、かゆみ、じんましん、発疹、呼吸困難などのアレルギー症状を示した事例報告があります。また、赤色の色素を含む化粧品の使用により、かゆみを覚えていた女性が、コチニール色素を含む食品を摂取したところ、呼吸困難を伴う重篤なアレルギー反応を示した事例報告もあります。
呼吸困難になってしまったら大変な事態ですが、「消費者への注意喚起」はやけに悠長です・・・。
万が一、コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、かゆみなどの体調の変化を感じた場合は、すみやかに皮膚科やアレルギー科の専門医を受診してください。
商品のラベルには、「コチニール」ではなく、「カルミン」や「カルミン酸色素」と表記されていることもあるそうです。
コチニールが虫の色素で、しかも急性アレルギー症状を引き起こす事例があることを知れば、食べたくない人が多いのではないでしょうか。
スターバックスも、ストロベリー&クリームフラペチーノなどに使っているコチニール色素を段階的に取りやめると2012年に発表しています(今もまだ使っているかどうかはわかりませんが)。
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by 硲 允(about me)
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