暮らしの仕事は延々と続く。人生を楽しむには目の前のプロセスを楽しむ


東京から香川に移住し、いわゆる田舎暮らしを始めてから、やることリストの中身が急激に増えた。

東京のアパート暮らしでは、パソコン内で済む仕事がほとんどだったが、家2軒(古民家と、離れも借りている)、庭、田畑、と暮らしの空間が広がると、その分、暮らしの仕事も増える。

草刈り、庭木の剪定、屋根の修理、家具づくり、野菜の種まき、畑道具の手入れ…することは延々とある。「TO DO リスト」というと、「~すべきこと」のリストなので、見ていてあまりいい気分ではないので、「WILL DO リスト」(する予定、するつもりのことリスト)と呼ぶことにしているが、それでも、箇条書きでずらっと並べると、することが山のようにたまっているようで気が滅入りそうになることもある。

元気なときにがむしゃらに仕事を進めようとしても、すぐに力つきてガタがきて、回復に時間がかかって総合的に見ればプラスマイナスゼロか、マイナスになることもある。食事のときですら、次の作業が気になって、気持ちだけどっかに行ってしまっていることもある。そんな感じでは毎日の暮らしを楽しめない。

暮らしの仕事や作業は、どれだけやっても、いつまで経っても、ゼロになることはなく、今リストに入っていることを終えた頃には、同じくらいの数だけ、新しい項目が増えていることだろう。すること、したいことすべきこと…これらは延々と発生する。一つ終えるごとに次の段階に進んでいけるわけだけど、完全な終わりはない。人生には小さなゴールはいくつもあるが、完全なゴールというものはなく、延々とプロセスの中を生き続けるようなものでもある。それなら、プロセス自体を楽しめなければ、人生全体を見渡したときに、楽しい瞬間というのはごくわずかなものになってしまう。プロセスを楽しむ。それが、「今を楽しむ」ことにつながるのだろう。

結局、プロセスを楽しみ、「今」を楽しんだほうが、ものごともスムーズに進み、楽しんでいるうちに気づいたらずいぶん先に進んでいた、ということになりやすいように思う。あせらず、着実に、目の前の一つひとつを大切に楽しむことを大事にしたい。


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by 硲 允(about me)
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