「小さな世界を体系立ててもあかん」と思った。


人間はいろんなことを体系立てたがる。体系立てるとものごとが整理されて理解が促進されたり他人に伝えやすかったり、いいこともあるが、その一方で、デメリットもある。

デメリットは、全部わかった気になったり、一つの体系に固執してその体系の外の世界に目が行きづらくなったり、柔軟性を失って新しいものを取りいれづらくなったり、体系立てた人間が一番偉いとされてヒエラルキーができたり、といったことが思い浮かぶ。

知識、技術、知恵、思想・・・そういうものには、本来、果てがなく、生きもののように増殖し、発展していくものだと思うが、人間は時に(しばしば)、「果て」をつくりたがる。そのほうが安心したような気になるし、落ち着くからだろう。全部わかった気になりたい、というのもあるだろう。

誰かがつくってくれた体系は、役立つことも多いし、ありがたいときもあるけれど、それに囚われすぎると、小さな世界にはまって視野が狭くなったり、新しい発想が生まれる機会が失われたりするリスクもある。

できることなら、大きな世界で自由に生きたい。小さな世界を体系立ててわかった気になっててもあかん。


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by 硲 允(about me)